Book

家庭も職場も好転する「考育」のすすめ: 正解のない今の時代に欠かせない「自分で考える力」の育て方

山田皓貴

Photo/Write 賢太郎大川

親も上司も、「問いかけ」が鍵になる 感情論ではない、再現性のあるコミュニケーション術 「子どもの成長にもっと関わりたい。でも、仕事が忙しくて、平日はほとんど顔を合わせられない・・・」 「部下の育成にも、家庭にも、真摯に向き合いたい。でも、どうすればいいのか分からないまま、時間だけが過ぎていく・・・。」 日々、仕事と家庭の両方で奮闘されているあなたが、もしこのように感じているとしたら。 本書はあなたのための本であると言えます。 はじめまして。 株式会社Hitofuri代表の山田皓貴と申します。 仕事で責任ある立場を任され、家庭では父親として子どもの成長を見守る・・・。 限られた時間の中で、子どもやパートナー、そして職場の部下や同僚と、どうすれば質の高い関係を築けるのか。 その方法が分からず、一人で悩みを抱えている方は少なくありません。 「周囲の人間と良好な関係を築くには、適切なコミュニケーションを重ねることが大切である」ということは、多くの人が理解している事実だと思います。 しかし、その考え方の多くは、コミュニケーションの”量”に起因するようです。 私が思うに、大切なのは”量”ではなく、”密度を高める”こと。 本書でお伝えするのは、そのための最適なスキルである「コーチングコミュニケーション」です。 コーチングと聞くと、何か特別なスキルに聞こえるかもしれません。 その本質は、私たちが日々行っているコミュニケーションを、より効果的で、より深いものへと進化させるための考え方と技術です。 その根底にあるのが、教えて育てる「教育」ではなく、考えさせて育てる「考育」という視点。 これまでの時代は、知識や経験が豊富な人が、そうでない人に「教える」ことが中心でした。 むしろ日本の教育シーンが「教える」という行為を、促進している気すらします。 無意識的に「教える」を選択してしまっている人が多いのではないか?と思うのです。 しかし、変化が激しく、正解が一つではない現代においては、一方的に教えるだけでは、人の主体性や創造力は育ちません。 本当に大切なのは、相手が自ら考え、気づき、自分の意志で答えを見つけ出すプロセスをサポートすること。 これが「考育」という概念の軸です。 この「考育」をベースにしたコーチングコミュニケーションを身につけると、自分の中にある「こうあるべきだ」という固定観念や価値観から自由になり、目の前の人が本当に望んでいること、その人だけの願いに、深く関わる力が養われます。 それは、子どもや部下の可能性を最大限に引き出すことに繋がるでしょう。 そして、「考育」は、目の前の人だけに向けるものではありません。 自分自身の人生を、より主体的にハンドリングするための、強力なスキルにもなります。 「本当はどうしたいのか?」と自分の心に問いかけ、自分だけの答えを見つけ出す力。 それこそが、仕事と家庭の板挟みといった複雑な問題に対して、後悔のない選択をしていくための指針となるのです。 本書では、この「考育」を軸に、家庭や職場で実践できるコミュニケーションの具体的な方法を、豊富な事例を交えながら解説していきます。 限られた時間だからこそ、一つひとつの対話を、かけがえのないものに。 本書が、あなたの日常やあなたの大切な人との関係を、より豊かにする一助となれたなら、著者としてこれ以上の喜びはありません。 それでは、一緒に「考育」の世界を探求していきましょう。 【目次】 はじめに 第1章:あなたの可能性を拓く「対話の力」 – 人間関係を好転させる”コーチング”という技術 1-1:限られた時間で濃密なコミュニケーションを実現。コーチングスキルを完全解説! 1-2:なぜ今「考育」なのか?-「教える」から「共に考える」コミュニケーションの可能性 1-3:自分で考え、自分で決める:心に矢印を向けてわかる2つのこと 1-4:家庭とキャリアの板挟みを解消!後悔しない選択をするための「セルフコーチング」とは? 第2章:育児におけるコーチングや考育の効果 2-1:ティーチングとコーチング – 教わることで失われる「意思決定」チャンス 2-2:「こう育ててあげたい」は親心?子どもの“夢”を知らない父親たち 2-3:自分の足で自分の人生を生きる子どもに。自立を促す「考育」の3ステップを解説! 第3章: 仕事の悩みを解決する新視点 – コーチング的アプローチで主体的なキャリアを築く 3-1:職場での人間関係を円滑にする – 「考育」的視点が生む、建設的なコミュニケーション 3-2:人を動かす対話術:チームの生産性を最大化させる方法 3-3:新しい環境に適応し、成長の機会に変える思考と行動 3-4:「もう、やめたい。」と感じた時の”未来へ繋がる思考法” 第4章: 事例で紹介!家族間コミュニケーションにおける実践的ノウハウ 4-1: ”教えてばかり”は逆効果!子どもの創造力を高める対話のやり方 4-2:親子間コミュニケーションQ&A – 感情的にならない接し方 4-3:パートナーとの向き合い方 – 傾聴のコツと相互理解 4-4:相手を変えずに自分が変わる – ストレスを激減させる距離の取り方 第5章: 事例で紹介!組織でのコミュニケーションにおける実践的ノウハウ 5-1:指示待ちだった若手が自ら動き出すようになった、上司の「問いかけ」の変化 5-2:優秀なのに自信が持てない中堅社員の才能を開花させた、1on1での「強みの深掘り」 5-3:大きなミスで落ち込む部下を、前向きな学びへと導いた上司の関わり方 5-4:反発ばかりしていた部下が、素直に受け容れるようになったフィードバックの伝え方 第6章: 今日から考育に向き合うためのマインドセット 6-1:積み重ねた”具体的行動”のみが未来を変える 6-2:完璧を目指さない勇気 – 「まずやってみる」精神が変化を生む 6-3:挑戦し続けるために – モチベーションを維持する秘訣 6-4:まずはコーチングを体験してみよう! おわりに 【著者媒体】 HP https://www.hitofuri.co.jp/ X https://x.com/hitofuri_koki Facebook https://www.facebook.com/koki.yamada.94

Author

株式会社Hitofuri

山田皓貴

大学卒業後、ハウスメーカーに勤務。
社会人3年目に自身のキャリアと深く向き合う転機を迎え、独立を決意する。
個人事業主として企業のコンサルティングを行う中でコーチングと出会い、一方的に「教える」のではなく、対話を通じて人の内なる可能性を最大限に引き出すその力に感銘を受け、株式会社Hitofuriを設立。
「挑戦が溢れる社会を創る」をビジョンに掲げ、企業向けのエグゼクティブコーチングやマネジメント研修を中心に、組織の課題解決と人材育成を支援。
近年は教育現場にも活動の幅を広げ、本書で提唱する「考育」の重要性を伝えている。
一人ひとりが「自分の人生に真剣に向き合い、自分の信念を大切にしながら生きる」こと、そしてそのための質の高いコミュニケーションスキルを誰もが学べる社会の実現を目指し、日々活動している。