フォトグラファーのピックアップコラム
俳優 兼 アーティスト

坂東工

私は彼の出演していた『バチェラー・ジャパン』のシーズン1もシーズン2も全話通して何周も観ている。才色兼備の独身男性(バチェラー)を複数の美女がバチェラーの心を勝ち取るために過酷なバトルを繰り広げる様は観ていて本当に面白い。そして何周も観ていると私はある事に気がついた。超絶イケメンのバチェラーよりも数十人の絶世の美女よりも黒子に徹しているはずの司会進行役の彼に私は惹かれていたのだ。きっとそれは私だけではないはずだ。彼がどんな人物なのか知りたくなるのは当然のことだと思う。インタビューが始まると私はカメラを構えながら彼の話に耳をすました。序盤は写真を撮りながら聞いていたがシャッターを押す回数はどんどん減り、挙げ句の果てにはカメラを置いた。彼の話が面白すぎるのだ。彼の口から発せられる数々のエピソードや思いはどこかで借りてきたものではなく、唯一無二のものだった。私はフォトグラファーであることを忘れ、インタビュアーの隣でお伽話のような彼の話をワクワクしながら聞いていた。そしてフォトシューティングの時間だ。今回は真っ暗な部屋で撮影した。ストロボは1灯のみ。最初はスタッフも同じ部屋にいたが、途中で彼とふたりっきりにしてもらった。音もない暗闇の中、私は彼と向き合った。そしてカメラを通して私は彼の内側に入っていった。彼は常に自分が何者なのかを知るための旅を続ける探求者だった。数々の物語を潜り抜けた彼はより透明になり、そして美しかった。彼の世界は広くとても心地よかった。すべてが許された瞬間、シャッターは押された…。彼の溢れんばかりの魅力がモニターからも溢れ、番組を観ている私に伝わったことは当然のことだと思った。彼の旅はこれからも続き、その物語はこれから先も多くの人を魅了し続けるだろう。

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