フォトグラファーのピックアップコラム
株式会社マスターマインズ
代表取締役

山崎大輔

私は勉強ができない子供だった。成績が良い悪い以前に勉強というものが全くできなかった。授業中は机の上で伏せて眠り、予習、復習はもちろん宿題すらやったことがなかった。 テスト前になるとやらなくてはいけないことはわかっていても「やりたくない!」と叫びながら壁に向かって教科書を投げるような子供だった。もしあの頃の私の前に彼のような家庭教師がいれば私は勉強をするようになったのだろうか?インタビューが行われている薄暗いカフェでカメラを構えながらそんなことを考えていた。「経営者は孤独って言うじゃないですか。僕にはいまいち共感できなくて。」彼はインタビュアーに向かってそう言った。私はこの興味深い発言の続きを待った。「会社組織のピラミッドがあって、一番上に社長がいて幹部がいると思ってる人が多いのかな。僕は逆三角形だと思っています。最前線で仕事をするスタッフがいるから会社は成り立っているわけで、社長の自分にはあくまでも後方支援しかできません。」彼は力強くそう言い切った。そしてフォトシューティングの時間。彼の表情から粘り強く、自分の頭で考え、常に最善を尽くし、少なからず自分に対しての自信もある人物であることが読み取れた。しかし意外にも彼にレンズを向けるととても恥ずかしそうな素振りを見せた。彼は脇役なのだ。主役はあくまで子供たちやスタッフ。彼の存在は他者を輝かせるためにある。子供時代の私の前に彼がいてくれたら私は今とは違った人生を歩んでいたことだろう…。私はそう確信した。

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