ポートレートコラム
スターティアラボ株式会社
代表取締役
北村健一
Photo/Write : Tetsuya Hara
交通トラブルによりインタビュアーが遅れてくる事になった。スタートが遅れる事に対して微塵も気にしていない様子で屈託なく笑う彼が、スターティアラボ株式会社 代表取締役 北村健一だ。インタビュアーが到着するまでの間、彼から様々な面白い話を聞いた。なかでも興味深かったのは、彼が本気でプロのミュージシャンになる為に福岡から仲間たちと上京してきたバンドマンだったという話だ。どことなく感じる少年ぽさはバンドマンであった事が関係しているのかもしれない。ドラムを担当していた彼はバンドでの成功は成し遂げられなかったが、会社の代表として成功した。「バンドが仕事をする上で何か役に立っていますか?」と私の問いに「何かをチームで作り上げる作業は役に立っているかもしれない。」組織のリズムをとりながら、指揮を執って仕事している彼の姿が浮かんだ。インタビュアーが到着し、インタビューも無事終了。フォトシューティングの時間になった。彼は撮影中にこんなエピソードを話してくれた。「『7つの習慣』という本あるじゃないですか?僕はあの本に書いてある事を全て実践したんです。」「本を知っている人や読んだ人は多いけど、実践する人は、ほんの数パーセントで、僕はその数パーセントになったんです。」真っ直ぐにレンズを見つめる彼は屈託なく笑う少年ではなかった。人に負ける事を誰よりも嫌う愚直な努力家だった。彼がビジネスマンとして成功した事は必然だと感じた。これから先、彼が仲間たちと共に社会に響く、新しいメロディーを鳴らす事だろう最後のシャッターを切った後、私は仲間たちの後ろでドラムを軽快に叩く彼をイメージした。