ポートレートコラム
実業家
木下マリア
Photo/Write : Tetsuya Hara
私は夏の強い日差しに照らされている彼女を数秒間、ぼんやりと眺めていた。突然、頭の片隅にあった記憶が蘇り、振り返る彼女に合わせてシャッターを切った。「カシャ…」気持ちのよい風が流れた。彼女は全てを受け入れるように小さく微笑んだ。彼女の名前はカタカナで「マリア」 という。 母親が彼女を身籠もったとわかった瞬間に「この娘はマリアだ」と決めたそうだ。イエス・キリストの母である聖母マリアの「聖母」(最も一般的な称号)は、漢語としては人格の優れた尊崇される人の母を意味し、漢文においては人徳を極めた女性に対する敬称である。彼女はその名に相応しく、複数の会社を経営する才能と美しい容姿の両方をもつ才色兼備でありながら思慮深く、驕ることは一切ない。彼女と話しをしているとその心地よい声と相まって、前向きで楽しい気分になれる。非の打ち所のない魅力的な女性だ。しかし彼女の人生は決して順風満帆ではなかった。自己肯定感が著しく低い時期もあり、挫折を繰り返し「思い詰める」ような日々が続く事もあった。しかし、彼女はそんな自分を認め、受け入れ、行動した。「失敗は挑戦をした人だけが得られる経験であり、次に活かせば良いのです。人生は1度しかありません。」少女のように笑っていると思っていたら即座に経営者の顔に変わる。これまでの彼女は、自分自身を認められるようになるまで懸命に努力をしてきた。しかし同時に「いつまでこんなキャラやってるの??笑」と思うこともあると私に教えてくれた。彼女はこれから先、純粋なる母性愛の象徴「聖母マリア」にさらに近づいていくだろう。彼女の存在が多くの人を救う事になるだろう。夏の日差しに包まれた彼女は眩しいくらいに光り輝いていた。