「人は変わる事ができるのか？」私にとっては永遠のテーマだ。というもの、私は十代の頃から「変わりたい」と強く思い続けてきた。45才。変わる事はもう諦めてもいい年齢だ。しかし、どうしても諦めきれない。「変わりたい」のだ。 私はレンズを彼に向けた。相変わらず、端正な顔立ちだ。しかし今までの彼とはなにかが違う…。 彼を撮影させていただくのは今回で4度目。このフォトグラファーピックアップコラムは過去に二回書かせていただいている。このコラムを書くにあたって、私は過去のコラムを読み返した。彼の写真をみて驚愕した。一回目のコラムの彼は、どこか幼く不安げな表情をしていた。そして二回目の彼は一回目に比べるととても鋭く、強い表情をしていた。しかしどこか余裕のない表情をしていた。今回の写真をみていただきたい。表情に余裕が感じられ、それでいて精悍だ。瞳は輝き、どこまでも透き通っている。真っ直ぐレンズを見つめる彼をシャッターを切っていると包み込まれるような感覚を覚えた。 私は夢中でシャッターを切った。冒頭の「人は変わる事ができるのか？」答えはYESだ。今ならはっきりと言える。目の前にいる彼は確実に「変わっている」からだ。しかも驚くべきスピードで。安堵した。そして勇気をもらった。全くもって遅くない。私も変わるのだ。彼のように。 津崎さんありがとうございます。今回もとても楽しい撮影でした。また撮らせてください。次はどのように変化しているのか。とても楽しみにしています。