ポートレートコラム
吉岡 諒
Photo/Write : Tetsuya Hara
いつも一緒のインタビュアーと私が彼の会社のエントランスで軽く談笑をしていると彼が現れた。私は彼の顔をみた。一見すると普通に見えるが、どこか不思議な雰囲気がある男だった。ここにいるようでここにはいない。たとえて言うなれば宇宙人のようだ。インタビューが始まった。彼がいきなり、全く理解できない言語で話してくるような気がしたが当然、日本語で話しその話は理路整然たるものであった。インタビューが進むにつれ、彼の持つ考えの基本を知った。それはとてもシンプルなものだった。「人を大切にする」岡山で生まれ育った幼馴染かつ親友との起業、共同経営、社員を信頼する姿勢。出会った人との確かな関係づくり。シンプルであるが、ここまで徹底する事は誰でもできるものではない。そんな彼のエピソードをふたつ紹介したいと思う。ひとつ目はインタビュー中の話しだ。私が彼を左側から撮ろうとした際、私の後ろには壁があり、それ以上引くことができなかった。彼はインタビュー中にも関わらす、それに気がつき、とても自然に私が撮りやすい位置に移動してくれた。もうひとつは後日談になるが、ダイエットに成功した彼が私にオンラインで出来るパーソナルジムを教えてくれた。私が入会した事をお礼とともに報告すると彼は何も言わずに私を友達紹介のサービスを受けられるようにしてくれていた。このような彼の気遣いに心から感動した。彼は宇宙人ではなかったのか?私の第一印象は外れたのか?私がそう思っていると、彼が別れ際にある話しを聞かせてくれた。私にとってとても興味深い話だった。その話しで彼が何故、宇宙人に見えたのか少しだけ垣間見た気がしたが、その話はここでは秘密にしておきたいと思う。普通にみえるが、特別な才能を持つ男。彼はこの先このまま大きな存在となっていくだろう。私は彼と知り合えた事に感謝した。