社長になる人の「若い頃」とは?心がけるべきこと、成功する社長の特徴をわかりやすく解説

社長になる人若いころ

弁護士になりたいのであれば司法試験を受けるでしょうし、税理士になりたいのであれば税理士試験を受けるでしょう。しかし、「社長」になるために必要な資格や決まったルートなどはありません。

では、そもそも社長になるにはどのような方法があるのでしょうか?また、社長になる人は、若い頃からどのようなことを心がけるとよいのでしょうか?

今回は、社長になる人が若い頃から心がけるべきことや成功する社長の主な特徴などについてくわしく解説します。

そもそも「社長」のイメージは実態に合っている?

「社長」は、会社のトップです。しかし、大企業の社長だけが「社長」ではありません。

家族以外に従業員を雇用していない会社から従業員数が1万人を超える会社まで、その規模はさまざまです。

「社長になりたい」と漠然と考えている場合、そのイメージが実態に合っていないことも少なくありません。

一般的に「社長」といった場合、華やかな成功者をイメージしている人が少なくないでしょう。ビシッとスーツを着こなして、経済紙などでインタビューを受けている感じでしょうか。

しかし、そのような人だけが「社長」なのではありません。近所の定食屋さんの店主も、法人化していれば「社長」です。

建設業でも、よほど大きな規模でない限りは社長が現場に出ることが通常であり、作業着を着て建設現場で足場を組み立てている人は「社長」かもしれません。家の近所にある「〇〇商会」にも、会社である以上は社長が存在するはずです。

そして、その見た目と収入・生活の満足度は必ずしも比例するものでもありません。建築現場で作業に勤しんでいる社長の年収が何千万円である可能性もある一方で、見栄えの良いスーツをビシッと着ている社長の年収がサラリーマンと大差がない可能性もあります。

このように、「社長」といっても経営する規模や社長が担う日々の業務、身なりや収入などは多種多様です。また、コツコツと地道な経営を続けている社長は派手な身なりをしておらず、表にも出てこないものです。

具体的なイメージがないまま「社長になりたい」と考えていれば、遠回りをしてしまうかもしれません。そのため、将来社長になりたいと考えているのであれば、まずは自身がなりたい「社長」のイメージを具体化する必要があるでしょう。

社長になる主な方法

社長になるには、どのような方法があるのでしょうか?ここでは、社長になる主な方法について解説します。

  • ・社内で出世する
  • ・自分で会社を興す
  • ・親や親族の会社を引き継ぐ
  • ・会社を買う

社内で出世する

1つ目は、社内で出世をして社長まで上り詰めることです。規模の大きな企業であるほど、上り詰めるには相当の覚悟や根気、対人スキル、業務への知識や実績などが必要となります。

一方で、中小企業であるからといって「社長になりやすい」とは限りません。規模の小さな企業は家族経営であることが多く、暗黙の了解で後継者が親族に決まっていることも少なくないためです。

自分で会社を興す

2つ目は、自分で会社を興すことです。

会社は、法務局で登記さえすれば1人でも作ることが可能です。また、自分1人が出資者(株主)である以上は、自分の判断だけで自身を社長とすることができます。つまり、社長になることだけが目標なのであれば、これがもっとも「手っ取り早い」方法でしょう。

しかし、「社長になる」ことと、その会社を軌道に乗せることは別の問題です。法人登記をして社長になっても、その会社の事業が振るわなければ、会社を畳む事態ともなりかねません。

そのため、社長になって会社を成長させるにはその会社が存在する社会的意義をよく検討したうえで、事業プランや収支計画を練るなどのステップが必要となります。

親や親族の会社を引き継ぐ

3つ目は、親や親族の会社を引き継ぐことです。親や親族が会社を経営している場合には、この方法が選択肢に入ります。

しかし、会社を引き継いで経営することは生易しいものではありません。既存の従業員や取引先などから社長として認めてもらうには相当な努力が必要となり、決して易しい道ではないでしょう。

会社を買う

4つ目は、会社を買うことです。

実は、後継者がいない会社などが売りに出されるケースは少なくありません。会社を購入して自身を社長に据えることで、社長となることが可能です。

ただし、会社を買っても自身に経営スキルがなければ、その会社についていた顧客が離れるなどして経営が立ち行かなくなるリスクがあります。同様に、許認可が必要な事業であれば、その許認可を維持(または取得)する要件を満たさなければなりません。

会社の購入にはリスクや注意点も多いため、まずはM&Aなどを担う専門家へ相談するとよいでしょう。

社長になる人が若い頃から心がけるべきことは?

社長になる人が若い頃から心がけるべきこととしては、どのようなものが挙げられるのでしょうか?ここでは、社長になる人が若い頃から意識すべき主な心構えを8つ紹介します。

  • ・人との縁を大切にする
  • ・問題から逃げない
  • ・任される人になる
  • ・長期的な視点で物事を見る
  • ・周囲へ感謝する
  • ・小さな約束も守る
  • ・自分に投資する
  • ・体調管理に気を配る

人との縁を大切にする

社長になる人は、若い頃から人との縁を大切にするとよいでしょう。

会社の経営は、人との関わりなくして成功させることはできません。若い頃から人との縁を大切にすることは、社長になる過程や社長になった後の経営において、思わぬ助けとなるでしょう。

問題から逃げない

社長になる人は、若い頃から、問題から逃げない心構えをしておくとよいでしょう。

社長になると、日々さまざまな問題が降りかかります。そして、その問題からは簡単に逃げることはできません。

社長が問題から逃げるようでは、従業員から信用されず定着しない可能性があるほか、取引先などから信用を失う事態となるでしょう。そのため、社長になる人は、若い頃から問題と向き合う意識を持っておくことをおすすめします。

任される人になる

社長になる人は、若い頃から、任される人になるよう心掛けるとよいでしょう。

「任される人」になるのは、簡単なことではありません。人間的かつ能力的に信用できる人であることに加え、物事に積極的に取り組む姿勢も必要であるためです。任される人となることで、社長への道が開けやすくなるでしょう。

長期的な視点で物事を見る

社長は、長期的な視点で物事を見られなければなりません。短期的な視点も重要ではあるものの、短期的な視点だけで物事を判断していては方向性を誤るおそれがあるためです。

従業員である場合、どうしても「目の前の仕事」だけに目が向きがちでしょう。そこで、あえて若い頃から長期的な視点を持つようにすることで、社長としてのスキルを磨きやすくなります。

周囲へ感謝する

社長になる人は、若い頃から周囲への感謝を心掛けるとよいでしょう。周囲へ感謝することで、良好な人間関係を築きやすくなります。

また、意識的に感謝をすることでこれまで気付かなかった周囲(人や店舗、企業など)からの配慮に気付きやすくなり、社長となった際の経営に役立つでしょう。

小さな約束も守る

社長になる人は、若い頃から小さな約束も守るよう心掛けることをおすすめします。

約束を守るということは、相手を尊重することです。提出期限や緊急ではない食事の約束など小さな約束を積み重ねることで、人として信頼されやすくなるでしょう。反対に、たとえ小さな約束であっても一方的に破棄したり自分の都合で振り回したりすれば相手から信用されなくなり、社長への道が遠のいてしまいかねません。

自分に投資する

社長になる人は、若い頃から自分に投資するべきです。

会社によっては、書籍の購入や資格の取得などに手当てが出る場合もあります。しかし、社長を目指すのであれば、会社が設けた枠に捕らわれず、積極的に自己投資をすべきでしょう。

自身が望む分野で社長になるために現在不足しているスキルを見極め、積極的に自身へ投資することが、社長となる過程や社長となってからの経営に活きてくるはずです。

体調管理に気を配る

社長となる人は、若い頃から体調管理に気を配るべきでしょう。

社長となる人は忙しく働いていることも多く、特に若い頃は健康管理が後回しとなりがちです。しかし、社長としての手腕を十分に発揮するためには、健康があってこそです。

そのため、ときには無理も必要ではある一方で、自身の身体を資本と捉えて健康を維持する努力も必要でしょう。

成功する社長の主な特徴

先ほど解説したように、単に「社長になる」だけであれば、法務局で登記をするだけですぐに達成できます。しかし、「成功する社長」になることは容易ではありません。そこで最後に、成功する社長の主な特徴を6つ解説します。

  • ・明確な目標を有している
  • ・強い覚悟を持っている
  • ・常に自己成長を目指す
  • ・プラス思考である
  • ・謙虚・素直である
  • ・判断力・決断力に優れている

明確な目標を有している

1つ目は、明確な目標を持っていることです。

経営はよく航海に例えられますが、行き先が決まっていなければ船は目的地に到達することはできません。明確な目的地があるからこそ、仮に途中で嵐に見舞われて航路を変えることとなっても、向かうべき方向を見失わずに済むのです。

また、明確な目的があれば、そこから逆算して「今、やるべきこと」の経営判断が可能となります。

強い覚悟を持っている

2つ目は、強い覚悟を持っていることです。

経営をしていれば、常に順風満帆とはいきません。特に、目指すべき目標が高ければ高いほど、多くの困難が待ち受けるでしょう。

そのような中で成功をするためには、多少の困難であきらめない強い覚悟が必要です。辛いときでもあきらめず信じた目的地を目指し続けることが、成功へのカギとなります。

なお、最終的なゴールを達成するために途中経過を変えるべきことは多く、航路には固執すべきではありません。目的地への途中で嵐に見舞われたにもかかわらず航路を変えなければ、船は沈んでしまいます。

一度決めた航路を無理に突き進むのではなく、最終的な目的地へ到達するために臨機応変に航路を変えることも、社長の重要な役割といえます。

常に自己成長を目指す

3つ目は、常に自己成長を目指すことです。

社長への就任は、成功へのスタート地点でしかありません。成功する社長は、就任後も常に成長を目指し、自身のスキルや人間性を磨き続けているものです。

社長が自己成長を目指すからこそ従業員からも信頼され、また新たなアイデアや経営改善策なども生まれやすくなります。

プラス思考である

4つ目は、プラス思考であることです。社長がプラス思考であるからこそ困難な時でも道が開け、また従業員や取引先も安心してついていくことができます。

とはいえ、実際には不安も多く、社長がプラスばかりを考えるわけにはいきません。また、社長が無鉄砲であれば短期的には事業が拡大する可能性がある一方で、遅かれ早かれ会社は危機に見舞われる可能性が高いでしょう。そのため、実際にはマイナス面も加味して、適切な経緯判断をすべきです。

このように、実際には困難があり内々に難しい問題を抱えていたとしても、成功する社長は道が開けると信じて邁進しています。また、少なくとも外部からはプラス思考に見えるように振る舞うことが多いでしょう。

謙虚・素直である

5つ目は、謙虚・素直であることです。

社長になったことで「自分は偉くなった」と考えてしまうと、他人の意見を素直に聞くことが難しくなります。そうなると、周囲をイエスマンで固め、たとえ問題があっても誰からも指摘してもらえない事態となりかねかせん。

その結果、消費者のニーズとはかけ離れた事業を展開したり不正に手を染めたりしてしまえば、成功は遠のいてしまいます。

成功する経営者は、総じて謙虚であり、素直です。周囲から学び成長し続ける意識を持つことで、企業の成長へとつながるでしょう。

判断力・決断力に優れている

6つ目は、判断力や決断力に優れていることです。

社長のもっとも重要な仕事は、判断や決断であるといっても過言ではありません。社長は日々、大小さまざまな決断が必要となります。

社長の判断が遅ければチャンスを逃してしまうおそれがあるほか、後から迷って重要な判断を朝令暮改とする事態が頻発すれば、従業員などから信用を失ってしまうでしょう。

まとめ

社長になる人が若い頃から心掛けるべきことや成功する社長の主な特徴、社長になる主な方法などについて解説しました。

成功する社長の特徴としては、強い覚悟を持っていることや常に自己成長を目指すことなどが挙げられます。社長として成功するためには、若い頃からなりたい社長像を意識したうえで、人との縁を大切にしたり自身の成長に投資したりすることを心掛けるとよいでしょう。

当サイト「The Keyperson」では、成功した社長のインタビュー記事などを掲載しています。インタビュー記事をチェックして、自身が目標とする社長像を見つけることから始めてみるとよいでしょう。