目指すは“昭和の社長”、現役医大生/インフルエンサー/起業家…3つの顔を持つ九島遼大(りょた)が語る過去・現在・未来
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氏名 | 九島遼大 |
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肩書 | 株式会社メディアエイド CEO 代表取締役社長 |
出生 | 2000年 |
略歴 | 2000年東京生まれ、現東京慈恵会医科大学在学中。2020年にTikTokに本格参入し、約1年間で30万人のフォロワーを集める。その後、発信者としても活動しながらSNS運用代行業を開始。『再現性が高いノウハウ』により、半年間でプロデュースアカウントは120アカウントを超える。TikTok業界ではトップのアカウント数。TikTokを用いたインスタ運用や他媒体運用を得意としている。 |
現代人にとってなくてはならない存在になったと言っても過言ではないSNS。SNSに関心のない人もいるが、その存在はもはや無視できるものではないだろう。
SNS運用代行を担う企業が増えている中で、一際異彩を放っているのが「りょた」こと九島遼大氏が代表を務める株式会社メディアエイドだ。3人からスタートした同社は、1年で40名規模の会社に成長。累計150社以上のSNSをサポートしている。
また、九島氏は現役の医大生であり、TikTokで33万ものフォロワーを抱えるインフルエンサーとしても活躍中だ。
今回は、同氏が起業するまでの経緯や、会社を成長させる秘訣について伺った。
継続なくして成果は得られない。成功体験があったからこそ見つけた、TikToker・起業家としての“新たな人生”
—【聞き手:松嶋、以下:松嶋】最初に自己紹介をお願いします。
—【話し手:九島氏、以下:九島】都内の医大に通う現役の医大生であり、TikTokerとしてインフルエイサーをしながら、株式会社メディアエイド(以下:メディアエイド)の代表をしている九島と申します。
メディアエイドはTikTokerとしての活動をきっかけに、2021年4月に創業した会社です。自身のインフルエンサー活動を通して得た知見を活かし、企業や個人事業主のSNSの運用代行を行っています。
基本的に学校、仕事、インフルエンサー活動の3つで1日のスケジュールを構成していて、週2〜3回ほど対面の授業があるため、その際は大学に行っていますね。そのほかは仕事でクライアントの撮影を行ったり、商談やミーティングをしたりしています。渋谷にオフィスを構えているのですが、僕自身は家や外出先で仕事をこなすことが多いです。
—【松嶋】医大に通っているということは、もともとは医師を目指していたのですか?
—【九島】祖父と祖母、両親も医師をしているため、自分も医師になるのが当たり前だと思っていました。小中高と医学部進学率の高い暁星学園に通っていて、周囲にも医師を目指している友人が多かったですね。
—【松嶋】まさに“医者一族”なのですね。TikTokはいつ頃からスタートしたのですか?
—【九島】2020年5月ごろです。僕が中学生の時にYouTubeの人気が爆発し、いわゆる“YouTubeドリーム”を掴んだ人たちが大勢いました。僕らは、YouTubeのサービスがすさまじい勢いで伸びていく様子を間近で見ていた世代なんですよ。ただ、当時の僕は見ていることしかできませんでした。
何もできないまま時間が過ぎていって、僕は医大に進学。すると、幼馴染(かとゆり)がTikTokerとしてバズり出したんです。彼女に「やってみなよ」と誘われて、「YouTubeドリームのようなことを起こせるかもしれない」と思い、TikTokへの投稿をスタートしました。
—【松嶋】最初はどのような動画を投稿していたのですか?
—【九島】最初は多くのユーザーと同じように音楽に合わせてダンスをするような動画をあげていて、次第に「医大生が教える〇〇」といったノウハウ系の内容に切り替えました。現在はエンタメ系の動画をメインに投稿していますね。
—【松嶋】試行錯誤されていたのですね。
—【九島】ええ。幼馴染がバズっているのに僕は全くバズらないというのは、非常に悔しかったです。その気持ちをバネにして「TikTokを攻略してやる!」と決意して、解析を続けていました。すると、オススメに乗るための方法がわかってきたのです。解析結果をもとに動画の内容や文字のセレクトなど、細かい部分のチューニングを続けた結果、TikTokをはじめて4〜5ヶ月後にバズるようになりました。
—【松嶋】なるほど。起業して会社も順調なのに、現在もSNSでの発信を続けられているのには、何か理由があるのですか?
—【九島】発信を続けることで、SNSに強いという説得力が増すからです。採用広報としても有効ですし、SNS経由でのご依頼も多いんですよ。
—【松嶋】外からみていると、継続的に投稿するのは大変なのではないかと思いました。
—【九島】特別大変だとは思っていません。僕の根幹には、受験勉強で身につけた忍耐力があるんだと思います。
—医大に向けての受験勉強をスタートしたのが高校3年生の5月ごろで、周囲と比べて非常に遅いスタートでした。しかも、勉強を頑張り始めたきっかけは、学習用アプリなんですよ。アプリ内で勉強記録がランキングで表示される仕様で、1位を取りたくて頑張るうちに熱がついたんです(笑)。当時は毎日13~14時間ほど勉強していましたね。
—継続することで結果に結びついたという成功体験があったため、一見ハードに見えることでも苦なく続けられることができるんです。
ハンデにもなり得る「若さ」を逆手に取った、SNS起点のマーケティングを推進
—【松嶋】TikTokの投稿がバズるようになってから起業されるまで、半年ほど空いているのですね。
—【九島】ええ。バズるようになったあと、知り合いの医師から頼まれて、個人事業主としてSNSの運用代行をしていたんです。最初は法人化しようとは考えていませんでしたし、自分のノウハウがビジネスになるとは思ってもみなかったですね。予想に反してサービスが順調に拡大していったため、収益が上がったタイミングで税理士に相談したところ、法人化することを勧められ、起業することにしたんです。
—【松嶋】起業した際はお一人で事業を回していたのですか?
—【九島】法人化する少し前に友人を誘い、一緒に仕事をしていました。その後、TwitterでDMを送ってきてくれた方を編集者として引き抜いて、起業した当時は3人で会社を回していましたね。
—現在は社員や業務委託の方が増えて、約45人のメンバーと一緒に仕事をしています。
—【松嶋】1年ほどで40名以上もメンバーが増えるとは、すごいですね!
—【九島】自分ではあまりすごいとは思っていません。会社というよりは部活のような感覚ですね。「このチームで全国1位を取ろうぜ!」といった感じで、メディアエイドというゲームを進めているようなイメージです。もちろん、遊びでやっているつもりはありませんよ。
—僕たちは現在100社以上のクライアントとお付き合いがあり、売上も順調に伸びています。それは僕たちの仕事を評価してもらえているからこそだと思いますし、似たような事業をしている会社と比べても、特殊なポジションを築けていると自負しています。
—TikTokや各SNSでインフルエンサーとして活躍している10〜20代が多い一方で、SNS運用代行を事業として行っている会社には、それ以上の年代の方が代表を務めているケースが多いのではないでしょうか。若い人には資金や人脈、経験が足りていないことが多いですし、それらがないとビジネスは成立しないですから。
—【松嶋】確かに。資金や経験はさておき、人脈を増やすためには人柄も大切ですよね。
—【九島】僕の場合、現役の医大生であり、20歳という最年少でフェラーリ・オーナーズ・クラブに入会していて、経営者でもあります。バックグラウンドもSNSで配信していますし、信頼を得やすい状況ではあるのでしょうね。
—ご紹介で人脈もどんどん増えてますし、非常に嬉しいです。だって、信頼していない人のことを知人に紹介しないじゃないですか?紹介しようと思えるほど信頼していただいているのは光栄ですね。
—【松嶋】そんな九島さんが代表を務めているからこそ、会社も成長しているのだろうと思いました。
—【九島】ありがとうございます。メディアエイドは、B2BのSNS支援でここまで成長することができました。事業を続ける中で、若いインフルエンス力を活かしながら、企業のマーケティングをサポートするという目標もできた。「若いからビジネスが成立しない」ではなく、「若さを活かしたビジネス」を推進していきたいですね。
—【松嶋】SNS運用代行だけでなく、マーケティングを支援していくのですね。
—【九島】TikTokのフォロワーが増えたとしても、クライアントの目的を達成できるわけではありません。再生数だけを追えばいいわけでもないですし、僕たちの仕事はバズを起こすことだけではないんですよ。
—マーケティングの大切さに気づいたきっかけは、クライアントの声です。事業を進める中で、フォロワー数や再生数が伸びてもご満足いただけないケースが出てきたんです。SNSが伸びたからといって、事業に直接の影響はない業種もあるんですよね。その時に、僕たちに求められているのは、SNS運用代行だけでなく、企業のマーケティングをサポートすることだと気づいたのです。
—クライアントの目的をヒアリングした上で、分析を進めてターゲティングをし、それらを反映した動画を作成して配信する。クライアントの満足度を上げるためにどうしたらいいのか、常に考えるようにしています。
—SNSの運用代行を軸としながら、それらを起点としたインフルエンサーマーケティングを推し進めていきたいです。
「成功への執着心」と「相手と向き合う誠実さ」。2つがあってこそ、ビジネスは加速する
—【松嶋】メディアエイドには、若年層をエンパワーメントする力もあるように感じます。
—【九島】そう言っていただけると嬉しいです。
—若い人向けの商品をアピールするなら、やはり同世代でなければ理解できないことも多いですし、僕たちのような会社は確実に需要があります。若年層に刺さるコンテンツをつくるには、“若い人のノウハウ”を活かしたマーケティングが必要ですからね。僕たちの世代が活躍することで、斬新な手法を取り入れた面白いマーケティングが増えていくのではないかと考えています。
—【松嶋】若い人たち、大人たち、それぞれに足りないものをマッチングする会社でもあるのですね。
—【九島】永遠に若さを保てる人はおらず、僕もメディアエイドのメンバーも、皆年齢は上がっていきます。若い人と大人のどちらかが劣っているということではありませんし、どの世代も等しく価値があり、それぞれ現役だからこそできることがあるはず。
—それにも関わらず、今までは若い人の意見をビジネスに取り入れる機会が少なかったと思うのです。メディアエイドを通して両者が融合すれば、コンテンツの精度をより上げることができると考えています。
—【松嶋】九島さんが思う、事業成長の秘訣があればお話いただけますか。
—【九島】クライアントと誠実に向き合うことですね。ノウハウや若い人のリアルな意見も大切ではありますが、何より「誠実さ」が大切だと考えています。ぶっちゃけてしまうと、ノウハウは多くの企業が持っていますからね。そこだけで勝負をしてしまうと、事業としてはきっと上手くいかないでしょう。僕は関わる全ての人にメリットがないとダメだと思っているんです。自分だけが得をするなんてあり得ないですし、メンバー、クライアント、全ての関係者にとって良い結果を残したい。
—また、僕は自分のレベルの低さを自覚しています。同世代と比べた時の年収でいうと高い方かもしれませんが、経営者視点でいうともっとすごい人がゴロゴロいますから。相手を尊重しつつ、かつ自分を卑下することなく、クライアントとは対等な立場を築いていきたいですね。
—ビジネスは人間同士のお付き合いですし、誠実な対応をしてくれない会社とは関係を続けることが難しい。結局、どれだけクライアントに向き合って考えられるかどうかが大切だと思うんです。誠実に向き合うって、言うのは簡単ですが、意外にできていない人が多いですよね。
—【松嶋】誠実に向き合うために、心がけていることなどはありますか?
—【九島】挙げるとキリがないですが、わかりやすいもので言うと、返信する際はスピードを意識するようにしています。チャットやメールなど、対面でないやり取りの場合、できるだけ早く返信した方がクライアントも安心できるでしょうしね。言葉遣いも気をつけています。失礼に当たらないように、かといって固くなりすぎないように。かしこまった対応ばかりしていると、お互いに気疲れしてしまいますから。そのほか撮影する際の雰囲気づくりやレポートの提出方法など……全てに気を配っていますね。
—時には「それは違うのでないか」とクライアントに意見することもあります。言われたことをやるだけなら、誰にでもできます。ビジネスとして対応する以上、成功率を高めるためには議論することも大切ですよね。
—【松嶋】クライアントはほとんどが年上ですよね。意見する際に不安など感じたことはないですか?
—【九島】ありません。TikTokやSNSについては、僕の方が詳しいと断言できますから。それに、自分が不安だからといって、正直な意見を伝えないのは不誠実だと思うんです。不安がっていては、クライアントと対等な立場で仕事ができませんしね。
—【松嶋】頭でわかっていても意見を言えない人も少なくないと思います。九島さんはなぜそういった考えができるのでしょう?
—【九島】小学6年生のときに両親に車を買ってもらって、ディーラーとのやり取りは僕が自分でやったんですよ。学生の頃から大人と対等に話す機会が多かったため、年上に対する怖さなどは感じたことがないです。今振り返ってみると「小学生で車を買うのはどうなんだろう?」っていう思いもありますけどね(笑)。
—ただ、両親が僕を信じて自由に育ててくれたからこそ、今の自分があります。選択肢も多かったですし、挑戦する機会の多い環境でした。それは当たり前のことではないと思いますし、両親に感謝ですね。
—【松嶋】育った環境の影響も大きいとはいえ、本人の素質も重要なのではないかと思います。
—【九島】そうですね。昔から、負けず嫌いなのは確かです。目的達成への執着が強いと言った方が近いかもしれません。自分が定めたゴールに向かって努力するのは苦ではありませんし、決めたからには何がなんでも達成したいんですよね。
より大きなビジネスの実現を目指し、周囲を巻き込みながら九島遼大のストーリーは続く
—【松嶋】会社としての今後の目標をお話いただけますか。
—【九島】会社をもっと大きくしたいですね。小学生の頃から野球でピッチャーをしていて、チームをまとめる役割を長く務めてきました。その時の経験は今も活きていますし、僕が先頭に立って事業を進めていくから、メンバーには自分の背中をみて追いかけてきて欲しいですね。
—周囲を巻き込んで会社を大きくしてきましたし、今後はより成長速度をあげていきたいです。
—【松嶋】個人的な目標についてもお話いただきたいです。
—【九島】医師免許は取りたいと思っていて、医療関係者と経営者の2軸を続けていきたいです。医療業界はまだまだ古い価値観も残っていますし、アナログな部分も多い世界なんですよ。そういった世界を活性化させられるような人材になりたいですね。
—あとは、外見も良くて、人間性も素晴らしくて、会社経営も順調で、かつ医療関係者で社会的地位もあるような人になりたい。妬まれるような存在になりたいと言いますか(笑)。会社を大きくして、いい車に乗って、いいマンションに住んで、いい仲間たちに囲まれていたい。周囲から慕われるような人になりたいんですよ。憧れはドラマなどに出てくるような“昭和の社長”です。誰かと勝負をしているわけではなく、“九島遼大”というブランドを大きくしていきたいですね。
—【松嶋】九島さんのファンに向けて、何か一言いただけますか。
—【九島】若い人たちに僕が言えるのは、一つのことをやり抜く経験をしておくと、将来きっと役に立つということ。僕の根幹にあるのは、ひたすら頑張って勉強をして受験に受かった成功体験です。それを活かし、次にTikTokで新たな道を見つけ、起業して会社を成長させることができました。
—勉強でも趣味でも、なんでも良いと思うんです。ビジネスと直接的に結びつくものである必要はなく、とにかく自分の決めたことをやり遂げるという経験が大切なのだと思います。これは精神論ではなく、実体験から得た僕の考えです。
—【松嶋】読者に向けてもメッセージをお願いします。
—【九島】いま社会の実権を握っているのは、50~60代の方が多いのではないでしょうか。そういった方からすると、僕たちの世代に「大丈夫かな?」「まだまだ子どもだな」という印象をお持ちの方もいらっしゃると思います。
—しかし、時代は変わっているんです。僕たちの世代は膨大な情報を日々取り入れていて、成長スピードも早い。数十年前の同世代と比べて、ビジネスに対する解像度が上がっていると思います。すでに気づいてる経営者さんもいらっしゃいますが、僕たちの世代にしかできないことが必ずあるんです。
—1度話すだけで印象も変わると思いますし、実際にこれまでお会いした人には「こんなアイディア思いつかなかった」と言っていただくことが多いんですよ。SNS運用でお困りの方は、ぜひ気軽にご連絡ください!
【クレジット】
取材・構成/松嶋活智 ライティング/西村友香理 撮影/原哲也 企画/大芝義信
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