「ビジネスは終わりなきRPG」サムライパートナーズ入江巨之が明かす無数の事業を成功に導く思考法と“熱狂”を生み出すコンテンツ創りの極意
Interviewee
株式会社サムライパートナーズ 代表取締役
入江巨之
1985年6月12日生まれ 長崎県出身。プロモーション領域から独自の価値を創造し続けるビジネスクリエイター。従来のビジネスの枠を超えた新しいモデルを確立し、D2Cをはじめホテル開発、YouTube番組制作、イベント事業にも挑戦。デジタルだけでなくリアルな場での価値創造にも注力する。経営者の傍ら、「DJ I-RIE」「THE HERO」の名義でアーティストとしても活動し、ビジネスとクリエイティブの両面から挑戦を続ける。
人気YouTuberヒカル氏のビジネスパートナーとしてその名を轟かせ、アパレル・コスメブランド「ReZARD」の立ち上げ、起業リアリティーショー「Nontitle」を手掛けたことでも知られる株式会社サムライパートナーズ代表取締役の入江巨之氏。
直近ではホテル経営、海外の大型エンタメIP取得と、多岐に渡る事業展開でその活躍の場は留まるところを知りません。
本稿では、常に「現状維持はマイナス」と語る同氏の経営哲学、そして数々の成功の裏にある「コンテンツ戦略」に迫ります。

「正直コストはかかるが…」数々のブランドを生み出し価値を高める秘訣とは
―【岡崎】多岐にわたり事業展開をされている入江さんですが、改めて現在手掛けられている事業についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
―【入江】 主軸となっているのは代表取締役を務めている株式会社サムライパートナーズでの事業で、インフルエンサーマーケティングやSNS関連事業を手掛けており、今年で19期目を迎えます。
お話にもあったヒカルくんとは「株式会社ReZARD」でアパレルやコスメのブランドを展開しており、2ちゃんねるの開設者である西村博之さんと共同で「株式会社Guild」という会社を手掛け、@cosmeの運営を行う「株式会社アイスタイル」とはSNSマーケティング周りでご一緒させていただいており、他にも複数社を手掛けています。
出資も積極的に行っており、国内最大級のピラティススタジオを展開する「株式会社Wellness X Asia」には立ち上げ時から関わらせていただいていたり、InstagramやXのシステム開発を行う「株式会社ネルプ」という会社も関わらせて頂いています。
―【岡崎】 ヒカル氏との共同ブランド「ReZARD」も非常に好調だと伺っています。こちらのブランドコンセプトについて教えていただけますか?
―【入江】 「ReZARD」の根本にあるのは、「ヒカルくんが本当に使っているもの、それ以上のものを作る」ということです。
彼はもともとお金に糸目をつけず、自分が良いと思ったものを使っています。例えば、以前彼のサプリメント代が1ヶ月で27万円だったと聞いて驚いたことがあるのですが、よくよく聞いてみると同じような成分のものをいくつも飲んでいて、それならば本当に必要な成分を一つにまとめ、より良いものをもっと手頃な価格で提供できるのではないかと考えたのが始まりです。
―【岡崎】 27万円が1万円強になったというのは、消費者にとっても大きなメリットですね。
―【入江】 そうですね。コスメに関しても、幹細胞コスメのエクソソーム配合クリームは上場企業である「セルソース株式会社」さんと共同で開発し、現在では「スーパー幹細胞」と呼ばれる、よりエリートな幹細胞を使った製品へと進化させています。
単に儲けるためではなく、ヒカルくんが本当に使っているもの以上のクオリティを追求し、研究開発を重ねています。使っていただければ、その良さを実感していただける自信があります。
また単にクリエイターのグッズを売っているのではなく、企業として本当に素晴らしいもの、サービスを提供したいと考え「ReZARD」の会員向けに専用のアプリも開発しました。YouTubeのメンバーシップ動画をバックグラウンド再生できたり、オフライン保存して飛行機の中でも見られるようにしたりと、ユーザーの利便性を徹底的に追求しています。
正直コストはかかりますが、お客様がストレスなくコンテンツを楽しめる環境を提供することが、ブランド価値を高める上で非常に重要だと考えています。

「Nontitle」の誕生秘話…コンテンツIP戦略の重要性と成功事例
―【岡崎】 起業リアリティーショー「Nontitle」を手掛けられていることでも知られる入江さんですが、「Nontitle」はどのような経緯で誕生したのでしょうか。
―【入江】 もともと、Netflixで配信されていた「スタートアップ」という韓国ドラマを観たときに「これはめちゃくちゃ面白い、よくできているな」と感動しまして。
同時に総合格闘家の朝倉未来くんが「ヤンキー版テラスハウス」という企画を話していて、この二つを掛け合わせたらYouTubeでとても上手くいくのではと思ったのがきっかけです。
―【岡崎】 「Nontitle」ではNECPCさんとの大型タイアップも話題になりましたよね。
―【入江】 そうなんです。NECPCさんには大型スポンサーとしてご協力いただき、番組全10話の枠を買い取っていただきました。総製作費は数億円規模で、撮影には丸1年かかりました。
結果として、番組内で紹介したNECPCさんのPC(LAVIE SOL)が、想定より売れたことから、NECPCさんにとっても、私たちにとっても大きな成功事例になったと思います。
―【岡崎】 コンテンツの力がダイレクトにビジネスの成果に繋がったのですね…!他にもコンテンツプロデュースの事例はありますか?
―【入江】ロコンドさんとのコラボレーションでは、靴を1週間で6億円売り上げたり、ジョイフルさんと食品の共同開発も行っています。また、YouTubeコンテンツの企画で「整形費用を全額もちます」といったような包括的なプロデュースも手掛けています。
もちろん、成功ばかりではなく失敗もたくさんありましたが、それでもコンテンツに力を入れ続けるのは、やはりその可能性を信じているからです。私たちはコンテンツを生み出すだけでなく、それを「文化」にまで昇華させたい。まだ道半ばですが、世界に通用するようなブランドを作り上げていきたいと考えています。海外のIPを取得するのも、そうしたノウハウを学ぶための一環でもあります。
―【岡崎】自社のコンテンツ力を使ってリアルイベントにも積極的に取り組まれていますね。
―【入江】 出演者を女性DJだけに絞ったイベントや、ビジネス系のカンファレンス「ネクストイノベーションカンファレンス」などを開催しています。
後者は渋谷区さんと連携し「ソーシャルイノベーションウィーク」の一環として、未来のためのエンターテイメントやコンテンツのあり方について考える場を提供しています。
―【岡崎】入江さんのお話の中では多種多様なコンテンツ力が印象的ですが、なぜそこまでコンテンツIPにこだわるのでしょうか。
―【入江】 「強固なコンテンツIPを持たなければ、大企業とは戦えない」と考えているからです。
楽しいところに人は集まってきますから、その「楽しい」を生み出す源泉であるコンテンツを自社でコントロールできなければならない、と。コンテンツをどこかから借りてくるのではなく、自分たちで生み出し、保有することが非常に重要だと思っています。
―【岡崎】 具体的に、どのようなコンテンツIPを手掛けられているのですか?
―【入江】 例えば、世界3大ポーカー大会の一つであるWPT(ワールドポーカーツアー)の権利を取得しました。また今年6月に開催するのですが、東アジアでナンバーワンの音楽フェスである「WORLD DJ FESTIVAL JAPAN 2025」の権利も買いまして、このフェスには10億円以上の投資をしています。
―【岡崎】 10億円ですか!それはすごい規模ですね。
―【入江】 世界的アーティストを多数招聘し、幕張メッセで2日間の開催を予定しています。音楽が好きというのもありますが、この熱量で大きなムーブメントを起こしたいと考えています。

「現状維持はマイナス」入江流・経営哲学の真髄
―【岡崎】近年ではホテル事業にも進出されているとお伺いしました。
―【入江】 現在、宮古島で38室のホテルを運営しており、さらに同じ宮古島でもう1棟改装中です。また、山梨県にも新しいホテル「郷音 -G.O.A.T.-」を建設中です。
こちらは今年の7~8月にオープン予定なのですが、一日一組貸しのヴィラで、広さは500平米あり、目の前には川が流れ、プライベートサウナやプールも完備している非日常を味わえる空間になっています。
オープン前にまず自分たちで何度も泊まり込み、不満な点や改善すべき点を徹底的に洗いだしています。6~7月中にもまたチームで泊まり込みお客様視点からさらに改善点を見つけ出し、対応していく予定です。
これは他の事業にも共通しますが「現状維持はマイナス」だと考えているので、とにかく理想と現実のギャップを特定してそれを埋めていく作業を愚直かつ迅速に実行することを何よりも大切にしています。
―【岡崎】 「現状維持はマイナス」という経営哲学、非常に印象的です。全事業共通して、意識的に行っているのでしょうか。
―【入江】 はい。社会が常に進歩し変化する中で、自分たちが同じ場所に留まっているということは、相対的に見れば後退しているのと同じだと考えています。そのため私たちの会社では、従業員の評価制度にも「どれだけ成長したか」という点が常に組み込まれています。
また「個人で勝つのではなく、組織で勝つ」ということも強く意識しています。組織全体が強くなることで、結果的に個々のメンバーも成長し、より大きな力を発揮できるようになります。そして何よりも大切なのが「PDCAを回し続ける」ことです。どんな事業でも、最初から最後まで全てがうまくいくということは絶対にありません。常に状況を観察し、問題点を見つけて改善策を実行し、その結果を検証するというサイクルを、ホテル事業の細かな改善も含め、全ての事業で徹底して行っています。
―【岡崎】 うまくいかないと判断した場合の、撤退の速さも特徴的だと伺いました。
―【入江】 そうですね。「これは難しいかな」と感じたら、見切りをつけるのは比較的早い方だと思います。無理にうまくいかせようとしても、うまくいかないものはうまくいきませんから。
早めに損切りをすることで、被害を最小限に抑えて次の新しい挑戦にリソースを割けるようにしています。
―【岡崎】 その損切りの判断は、なかなか難しいと感じる経営者の方も多いと思いますが、入江さんの中での判断基準などありますでしょうか?
―【入江】 私はポーカーが好きなのですが、ポーカーから学んだことが多いかもしれません。ポーカーは「損切りスポーツ」だと思っています。
一度ベットしたチップが惜しいと思っても、勝てないと判断したら潔く降りることが重要で、逆に勝負できると判断したら、思い切ってオールインする。事業も同じで、攻め時と引き際の見極めが非常に肝心だと思っています。このタイミングで自分のカードが悪ければ、いくらチップを積んでも意味がありませんよね。
全ての事業において、口コミやクレームなどのお客様の声を細かく収集・分析し、それを基に具体的な改善策を立てて、毎日実行しています。「理想と現実のギャップ」を明確にし、そのギャップを埋めるために何をすべきかを常に考えています。
先ほどお話しした「WORLD DJ FESTIVAL JAPAN 2025」のような華やかなイベントも、その裏では1年がかりで多くのスタッフがフルタイムで地道な準備を続けています。イベント自体は2日間、花火のようにあっという間に終わってしまいますが、その一瞬のために全力を尽くします。
YouTubeの動画制作も同じで、何となく撮っている動画というのは一つもありません。一つ一つのコンテンツに時間と情熱を注いでいます。そうした裏方の仕事、地道な努力こそが、最終的な成果に繋がると信じていますし、そこに手抜きは一切したくありません。
―【岡崎】 これだけの事業を同時に推進されるというのは、並大抵のことではないと思いますが、ご自身の中で大切にされている考え方はありますか?
―【入江】 私は「趣味と仕事をセットで楽しむ」ということを意識しています。
仕事だけだと、どうしても辛くなったり、本当にやりたいこととズレてきたりすることがあると思います。例えば私の場合は音楽が好きなので、音楽を楽しみながら仕事に繋げていく、といったスタンスを大切にしています。

組織で勝つ。挑戦を支えるチームビルディングと人材観
―【岡崎】 これだけ多岐にわたる事業を推進される中で、組織作りはどのようにされているのでしょうか。特に「任せられる人」というのも重要なポイントに感じます。
―【入江】 仰る通りで、大きなことをやればやるほど人は必要になります。
私が考える「任せられる人」の条件は、まず「自己責任を持って物事に取り組める人」、そして「最後まで全力でやりきってくれる人」です。最終的な責任は私が取りますが、託した以上は、その人が全力でやって失敗したのなら仕方がない。そこで失敗したら、おそらく私がやっても失敗しただろうと思うようにしています。
―【岡崎】 現在、どのようなバックグラウンドの方が多く活躍されているのですか?
―【入江】 私たちの会社は中途採用が多く、本当に様々な経歴の人がいます。例えば、証券会社出身者もいますし、元々大企業にいた人もいます。事業の規模が大きく、動かす金額も大きいため、それをしっかりと扱える経験やスキルを持った人材、そして投資に対するリターンをきちんと意識できる人材が求められます。社内には、営業部・イベントチーム・クリエイターサポートチーム・クリエイティブチーム・経営企画室・管理部など、様々なセクションがあり、それぞれが専門性を発揮してくれています。
―【岡崎】 社内連携やノウハウの内製化にも力を入れていらっしゃるそうですね。
―【入江】 はい。できる限り、商売は「身内だけで回したい」という気持ちがあります。出資している会社のメンバーにも、私たちのオフィスに常駐してもらい、日常的にコミュニケーションを取れるようにしています。そうすることで事業連携がスムーズになりますし、何よりも社内にノウハウが蓄積されていくからです。
外注に出せば楽なこともありますが、それでは自社に本当の力はつきません。20年後を見据えたとき、自社でノウハウを積み重ねてきた会社とそうでない会社とでは、大きな差が出ると確信しています。
もちろん、カメラマンのような専門的な部分は一時的に外部にお願いすることもありますが、事業の主要な部分はできる限り自社で完結させるようにしています。大変な部分もありますが、それが会社の成長には不可欠だと考えています。

剣道で培われた「日本一」への渇望と価値観の形成
―【岡崎】 入江さんの現在の多岐にわたるご活躍の原点についてもお伺いしたいのですが、どのような幼少期を過ごされていたのでしょうか。
―【入江】 出身は長崎県で、人口1万人もいないような小さな町で育ちました。父親が建築会社などを経営する事業家だったこともあり、幼い頃から経営というものが身近にありました。
経営者の方々を幼心ながら「すごいな」と思っていたこともあり「社会を動かしている感覚が欲しい」「自分のやったことが社会的に評価されたい」という思いが子供の頃からあり、「モノ」よりも「コト」に興味がありましたね。
また学生時代から企業の経営者の方々とお会いする機会が多かったので、自然と「将来は起業家になろうかな」と考えていました。家業を継ぐという選択肢もあったのですが、あまり興味が持てず、自分で新しいことをやりたいという気持ちが強かったです。今でこそインフルエンサービジネスは当たり前になっていますが、私が始めた19年前にはまだ存在しない領域でしたから、最初はインターネット通販などからスタートしました。
―【岡崎】高校時代は剣道に打ち込まれていたそうですね。
―【入江】 はい。私が所属していたのは長崎南山高校剣道部で、強豪校として有名なこともあり卒業生の多くは警察官や刑務官になるようなところでした。体力もありましたし、ある意味、敷かれたレールに乗ることもできたと思います。
―【岡崎】 ですが、その道は選ばなかったと。
―【入江】 はい。公務員になるつもりは全くありませんでした。公務員が良い悪いということではなく、私自身が「面白い人生にしたい」という思いが強かったからです。
そのためには自分でリスクを取って何かを成し遂げるしかない、と。働きたいと思える会社が世の中になかったので、自分で作るしかなかった、という感じです。
高校時代は、長崎でインターハイが開催される年で、私もそのメンバーに選ばれました。地元開催ということで期待も大きく、プレッシャーも相当なものでしたが、結果は全国3位でした。優勝を目指していたので悔しい思いもしましたが、その3年間で「諦めない心」や「本気で日本一を取りに行くという経験」は、今の経営に間違いなく生きています。
―【岡崎】 当時の練習は相当厳しかったと伺いました。
―【入江】 今では考えられないくらい厳しかったですね。練習中に気絶することも普通にありましたし、食事の量も尋常ではありませんでした。朝8時から11時まで練習した後、お弁当を4つ食べたり…あまりにも練習がきついので、食べないと体重がどんどん落ちてしまうんですよ。先日、当時の写真を見返したのですが、あまりの痩せぶりに自分でも驚きました(笑)。
ただ、その時の顧問の先生や仲間たちには感謝しています。先日、母校の剣道部にマイクロバスを寄贈させていただいたのですが、当時の先生からも「本当にありがとう」と連絡をいただきました。同級生の一人が今、監督も務めてしています。
―【岡崎】 素敵な恩返しですね。その厳しい環境下で「日本一を目指す」という経験が、現在の事業における高い目標設定などにも繋がっているのですね。
―【入江】 そうかもしれません。全国から本当に強い選手が集まってきていて、個人がみな大将レベルでまさに「レアルマドリード状態」でした。県大会や九州大会では一度も負けたことがありませんでしたから(笑)。
その中で日本一を取れなかった悔しさ、しかしそこまで本気で取り組んだからこそ見えた景色は今の自分にとって大きな財産になっています。

挫折と出会いが成長の糧に。2つのターニングポイント
―【岡崎】 これまでのキャリアの中で、特に大きなターニングポイントとなった出来事はありますか?
―【入江】 19歳か20歳の頃、事業が少しうまくいき始めて少し慢心していた時期がありました。その時、ある先輩経営者から「君が提供しているサービスと、その対価が見合っていないんじゃないか」と厳しい指摘を受けたんです。
当時はカチンときて「そんなことはない」と反発したのですが、数年経って冷静に振り返ったとき、その言葉の重みに気づかされました。「お客様が支払ってくださる対価以上のものを提供できてこそ、リピートに繋がるんだ」と経営に対しての意識が切り替わった転機となり、この経験が先ほどお話しした「理想と現実のギャップを埋める」という現在の経営スタイルの原点になっていると思います。
また、共同創業者である本田との出会いも大きな転機となった出来事でした。私が10代で起業した当初は、特に九州の田舎では“若い”というだけで全く信用がありませんでした。今振り返ればお客様の立場になれば当然のことだとは思いますが、当時は悔しい思いもしました。
そんな中、唯一私を信じて、お金も信用も全てを賭けて一緒にやってくれたのが、共同創業者の本田です。彼は元々銀行員だったのですが、彼が会社にジョインしてくれたことで、銀行からの信用も得られ、事業を大きく成長させることができました。彼があのタイミングで一緒にやってくれなかったら、今の私たちはありません。創業から19年間ずっと一緒にやってきましたが、本当に感謝しています。現在は、彼は九州で私は東京で主に事業を見ていますが、今でも月に一度は必ず会って話をするようにしています。
やはり事業を成功させる上での「人との出会い」は非常に重要だと痛感しています。

KEYPERSONの素顔に迫る20問
Q1.出身地は?
長崎県長崎市です。
Q2.趣味は?
音楽、特にDJです。あとは、世界中のまだ行ったことのない国へ旅することです。
Q3.特技は?
人が考えつかないようなアイデアを思いつくこと、かもしれません。
Q4.カラオケの十八番は?
あまりカラオケには行かないのですが、歌うとしたら、B’zでしょうか。歌うというよりは、ライブで自分の作った曲を歌うことが多いです。「Nontitle」のエンディング曲もそうです。
Q5.よく見るYouTubeは?
ヒカルくんのチャンネルや「Nontitle」など、視聴者の方がどう思っているのかを知るために自分たちが関わっているコンテンツのコメント欄はよく見ます。
あとは、社会の動きを知るために「PIVOT」や「日経テレ東大学」のようなチャンネルも参考にしています。
Q6.座右の銘は?
「行動を伴わない想像力は何の意味もない」です。
アメリカ人の友人から教わった言葉で、すごく共感して、今度自分の曲のタイトルにもしようと思っているくらいです。
Q7.幸せを感じる瞬間は?
会社でメンバーとミーティングをしながら仕事をしている時が、一番幸せを感じるかもしれません。「仕事は大変なことはあるけれど、辛いことはない」と思っています。
Q8.今の仕事以外を選ぶとしたら?
何をするにしても、きっと面白いことしかやらないでしょうね。もし地元長崎にずっといたら、旅館業などをやっていたかもしれません。
Q9.好きな漫画は?
「キングダム」が大好きで、毎週欠かさず読んでいます。あとは「ワンピース」も好きです。実はヒカルくんとも漫画の話ですごく盛り上がるんです。それがきっかけで仲良くなったと言っても過言ではないくらいです(笑)。
個人的には「ワンピース」の青雉のような、少し斜に構えつつも実力のあるキャラクターが好きです。基本的に頭の良いキャラクターに惹かれます。
Q10.好きなミュージシャンは?
The Chainsmokersです。
Q11.今一番会いたい人は?
スティーブ・ジョブズです。彼のものづくりに対する姿勢や思想について、直接聞いてみたかったです。彼のビジネスのやり方には、非常にリスペクトしています。
Q12.どんな人と一緒に仕事をしたいですか?
一緒に仕事を楽しみながらも、ストイックに目標達成に向けて努力できる人です。
Q13.社会人になって一番心に残っている言葉は?
ヒカルくんに初めて会った頃、彼が私に言った「入江さんを暇じゃなくしますよ」という言葉です。
「入江さんの暇つぶしに付き合ってあげますよ」という意味合いなのですが、当時ある程度事業も軌道に乗り、正直自分がもう満たされているときにかけられたので強烈なインパクトで今でも強く印象に残っています。どこかで仕事が作業になってしまっていた私にとって大きな転機になりました。
Q14.休日の過ごし方は?
家で猫と遊んだり、友人と食事に行ったりすることが多いです。
ただ、長期の休みが取れた時は、基本的に海外へ行きます。最近ではスペインのイビサ島などがお気に入りです。新しい価値観に触れたり、経験したことのないことにお金を使ったりすることで、自分自身をアップデートするようにしています。
Q15.日本以外で好きな国は?
スペインです。特にイビサ島は、音楽があって自由な雰囲気で、人々が「モノ」ではなく「コト」(体験)にお金を使う文化が根付いているところが素晴らしいと思います。
街中でクラブミュージックが流れていたり、自然の中で食事を楽しめたり、日本ではなかなか体験できないことがたくさんあります。
Q16.仕事の中で一番燃える瞬間は?
フェスをやっている時です。
Q17.息抜き方法は?
音楽、特にDJをしている時です。
DJをしている間は音楽のことだけに集中できて頭の中がクリアになるので、一番の息抜きになっています。
Q18.好きなサービスやアプリは?
最近泊まって感動したのは「NOT A HOTEL」です。全てがIT化されていてスマートハウスのようで、素晴らしいサービスだと感じました。アプリで言えば、やはりUber Eatsをよく利用します。
Q19. 学んでみたいことは?
自分自身のマインドコントロール、精神のコントロールについて深く学んでいます。
人間の感情がどのようにして生まれ、それが行動にどう影響するのか、そしてそれをどうすればコントロールできるのかといったことで、関連する論文を読み漁ったりしています。いわゆるEQ(心の知能指数)のような分野にも興味があります。
Q20.最後に一言
ビジネスは一種のスポーツのようなものでもあり、決まったゴールがあるわけではなく常に新しい課題や目標が現れるRPGのようなものだと思っています。攻略法も一つではなく、様々な戦略や戦術を試しながら進んでいく。そこに面白さがあると思っています。

40代の挑戦とグローバル市場への飛躍
―【岡崎】 今年40歳を迎えるということで、入江さんの今後のビジョンについてお聞かせいただけますか。
―【入江】 私は自分の中で年代ごとにテーマを決めているのですが、20代はまず自分のビジネスの基礎を作り、様々な経験を積む中で、何が自分に合っていて、何で成功できるのかを選択する時期だと考えています。
そして30代はその選択したものを実際に成功させる時期で、私にとってはYouTubeというプラットフォームとビジネスを掛け合わせることでした。 これから迎える40代では「人に依存しないビジネスモデル」を確立し、それをグローバルに展開していきたいと考えています。
―【岡崎】 「人に依存しないビジネスモデル」とは、具体的にどのようなイメージでしょうか。
―【入江】 例えば、ホールフーズ・マーケットや、ゲームタイトルのフォートナイトのように、特定の個人ではなく、そのビジネスモデル自体やブランドが無機質なものとして世界中に広がり、価値を提供し続けるようなイメージです。
人にはどうしても好き嫌いや浮き沈みがありますが、強固なビジネスモデルやブランドは、そうしたものに左右されずに成長し続けることができます。私たちはまだ、そういったものを日本から生み出せていないので、この40代でそれに挑戦したいと思っています。
先日もドバイへ行き世界のビジネスシーンを肌で感じてきましたが、グローバル企業の人たちは、自国だけのマーケットなど全く見ていません。日本は国内マーケットがある程度大きいため、どうしてもそこに安住しがちですが、海外に出て日本の現状を見ると、時々腹が立つくらい「もっとやれるはずなのに」と思うこともありました。私はもっと海外で勝負していきたいですし、日本のプレゼンスを高めていきたいという強い思いがあります。

―【岡崎】 ありがとうございます。最後に読者に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
―【入江】 私もまだまだ道半ばで偉そうなことは言えませんが、とにかく「チャレンジする人が増えてほしい」と思っています。
「自分にはできないんじゃないか」「失敗したらどうしよう」とネガティブに考えてしまう気持ちも分かりますが、まずは何か始めてみてうまくいけば続ければいいし、ダメだったら潔くやめてしまえばいいと思うのです。失敗したっていいじゃないですか。誰かが助けてくれるかもしれないし、そこからまた新しい学びがあるかもしれません。うまくいかないということも、言い換えれば伸びしろがあるということなのです。
今の日本は、どちらかというとネガティブな空気が漂っているように感じますが、経営することだけがチャレンジではありませんし、そんなものに囚われず、もっとポジティブに貪欲にチャレンジする人が増えれば、社会は必ず動くと思っています。
もちろん、リスクを全く考えないのは無謀ですが、ある程度のリスクは覚悟の上で、自分が「やりたい」と思うことに挑戦するのが、一番楽しく充実した人生を送る秘訣ではないでしょうか。人それぞれの形で、自分の可能性を信じて一歩踏み出して欲しいです。
【クレジット】
取材・構成・ライティング/岡崎美玖 撮影/原哲也 企画/大芝義信
Company
株式会社サムライパートナーズ
<東京本社>〒100-0005 東京都千代田区丸の内 1-6-5 丸の内北口ビルディング9階 WeWork内 <九州本社>〒813-0013 福岡県福岡市東区香椎駅前2丁目8-18-405 エムビルデベロップコアⅢ
マーケティング事業
エンターテインメント事業
クリエイティブ事業
ファイナンス事業
「ビジネスは終わりなきRPG」サムライパートナーズ入江巨之が明かす無数の事業を成功に導く思考法と“熱狂”を生み出すコンテンツ創りの極意