キュートな起業家ハヤカワ五味が歩み始めたクレバーな経営者の道

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氏名 ハヤカワ五味
肩書 株式会社ウツワ 代表取締役社長
出生 1995年
1995生まれ東京出身、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。課題解決型アパレルブランドを運営する株式会社ウツワ代表取締役社長。高校1年生の頃からアクセサリー類の製作を始め、プリントタイツ類のデザイン、販売を受験の傍ら行う。大学入学直後にワンピースブランド《GOMI HAYAKAWA》、2014年8月には妹ブランドにあたるランジェリーブランド《feast》、2017年10月にワンピースブランド《ダブルチャカ》を立ち上げ、Eコマースを主として販売を続ける。複数回に渡るポップアップショップの後、2018年にはラフォーレ原宿に常設直営店舗《LAVISHOP》を出店。

起業家と経営者、この2つは似ているようで少し異なるところがある。起業家は自分のビジョンに基づいたサービスやプロダクトを作ろうとする。夢見る少年や少女のように理想に燃え、自分のアイデアにワクワクし、アイデアの社会での実現を試みる。

ハヤカワ五味はまさにそういう意味で起業家だ。彼女の作ったブランドはそういうワクワク感にあふれたプロダクトだった。胸の小さい女の子向けのブラ「feast(フィースト)」は、女の子達の心をつかみ、瞬く間に人気ブランドになっていった。 彼女の頭に浮かんだアイデアは、シンデレラにかぼちゃの馬車を与えた魔法のように瞬く間に具体的な形を持ち、人々の欲しいという気持ちを駆り立てていったのだ。

作る商品が全て大ヒットする女性起業家の星、表面上は彼女はそのように見えるかもしれない。でもその裏に見える様々な葛藤が彼女に変化と成長を与えていった。そして、彼女は起業家から経営者へと道を歩み始めたのだ。今回は、そんな経営者 ハヤカワ五味のお話。

渡辺)結構久しぶりですねー。1年くらいぶりです?

ハヤカワ)そうですねー。前回ちょっとお話したのが、生理用ナプキンを作りたい!って動いてた時期くらいなので、2018年の5月くらいかも。

渡辺)それはそれは、生理用ナプキンも中々大変そうだなーと思ってみてたんですけど、だいぶ状況変わったようですね。

ハヤカワ)そうですね。まず、ブランドについてはワンピースのブランド「ダブルチャカ」とラフォーレで運営していた実店舗はクローズしました。なので、アパレルとしては「feast」一本になりますね。

渡辺)おぉ、それは思い切った感じですね。どうしてそういう決断されたんです?

ハヤカワ)今の自分の課題として、じっくり数字を追いながら改善していくっていうことをしたいと思ったからですね。今まで、私の事業の進め方って、「あ、これつくりたい!」て思いたって、「みんな、これほしい?」ってTwitterとかで発信し、「欲しい!」って反応があったから、「じゃぁ作る!」みたいな感じなんですよね。このやり方だと、常にその時その時にやりたくなったことを立ち上げていくみたいなことの繰り返しになっていて、いつもバタバタ動いてるんです。

渡辺)あぁ、なんか目に浮かびます笑

ハヤカワ)でも、立ち止まってちゃんと数字とかお金とかを全然見えてない部分があって。見直してみると、もっと利益を出せる方法もあったかもしれないし、売上だってもっと成長させることができていたかもしれない。そう思うと、こうした今までやってこなかった部分をちゃんと考えてみたいなと思ったのがきっかけですね。そして、ちゃんと落ち着いて考えようとすると、事業数が多い状態ではリソースも分散するし、気も散るので一旦事業数を減らす決断をしました。。

渡辺)おぉ、なるほど。よく分かりました。

人生で初めて「広告」に出稿します笑

渡辺)今の状況になって一番変わった部分ってなんでした?

ハヤカワ)今度初めて広告をだすんですよ。

渡辺)え、はじめて!?これまで出したことなかったんですか?

ハヤカワ)はい笑。今まで全部口コミとオーガニック検索だけで売れてたんですよ。

渡辺)それもある意味凄いですね。どんだけロイヤリティ高いんですか。

ハヤカワ)でも、それだとやっぱり限界があるんですよね。やっぱり広告でユーザーを集めてCPA測って、そこをPDCAまわして、カスタマーサクセスの仕組み入れて、LTV高めないと。

渡辺)いきなり、意識高い人みたいになってる笑。

ハヤカワ)はい。それを今やっているプロダクトが「illuminate(イルミネート)」なんです。illuminateは、ちょうど生理用ナプキンのプロダクトの開発をしたくて色々動いている時期に思いついたサービスなんです。

渡辺)初のITサービスですね。illuminateはどういうサービスなんでしょうか?

ハヤカワ)生理用品にセレクトショップってないんですよ。私は文房具が好きなので、文房具屋によく行くんですが、文房具屋って行ったらいろんな新しい文房具にも出会えるじゃないですか。「あ、こんなペンもあるんだ」みたいな感じで。でも、生理用品ってそういう場がなく、単に消去法で限られた選択肢から購入しているだけで。そういう意味で、illuminateは文房具店のような生理に関するアイテムのセレクトショップ型のECです。

渡辺)機能としては、特徴的な部分はどういうところなんですか?

ハヤカワ)はい、まずはこのEC実は生理の予測日の登録機能があるんですよ。

渡辺)え、どういうことです?ECなのに、生理予測!?

ハヤカワ)はい、LINEオフィシャルアカウントのチャットBotを組み込んで作ってるんですが、これを登録すると生理の5日前に通知が来るようにしてるんですよね。そして、このタイミングで今回の生理で使う生理用品を購入するというUXを考えています。

渡辺)なるほど、生理って結構急になってコンビニで買うか、ドラッグストアとかでまとめ買いするみたいな購入が多いと思いますが、それとは違う購入体験を作りたいってことなんですね。

ハヤカワ)はい、そう狙っています。5日前に通知があって、そこでこんな生理用品があるんだ、今回はこれ試してみよう!って思ってもらって購入してもらえれば、すぐに届くので。そうしたら毎回生理がくるごとに新しい生理用品を試してもらえるようになるかなって。生理用品ってやっぱり実際に使ってもらわないと、その良さって分かりにくいと思うので、こういう試してもらえる機会を増やしていきたいですね。

渡辺)おぉ、すごいいい仮設ですね。PDCA回りそうな予感がびんびんします。

ハヤカワ)はい、今なのでこういう数値をすごく追ってるんですよ。毎日。それが結構楽しいですね。

渡辺)すごい変わりようだ・・・・。今後illuminateの展開としてはどういうことを考えていますか??

ハヤカワ)生理に関するオリジナルブランドも今後illuminate上で出していく予定です。ナプキンだけではなく、例えばサプリメントなど色々なアイテムをラインナップに入れた時に、どういクロスセル、アップセルが生じるかを見ていくのが直近の目標ですね。2020年度は流通金額を1億円を目標にしています。

ロマンとソロバンのバランスを

渡辺)だいぶ働き方も目指す方向性もこれまでとは変わってきた感じがありますが、今後どういう経営者になっていきたいですか?

ハヤカワ)そうですね、やはりこうした数字をちゃんと見るようになっても大事にしたい部分って「思想性」の部分なんですよね。単にお金を儲けるのではなく、ビジネスってプロダクトにかけた思想があってこそだと思うので。言い換えれば、ロマンとソロバンの両方をもった経営者になっていきたいと思っています。

渡辺)さすが、キュートでクレバーな経営者ですね笑!経営者としての目標はわかりましたが、一方でプライベートな面での目標って何かありますか?

ハヤカワ)そうですねー、結婚するなら自分の姓でしたいですね。私の本名の稲勝(いなかつ)ってかなり珍しい苗字なんですよね。私が守らないと日本からなくなってしまう可能性があるんで、使命感がありますね笑。それが原因で彼氏と破局したりもしました笑。 自分で稼いだらいいや、って思ってるので相手に経済力は求めてないですね。研究者とか面白い人を養いたいです笑。あ、でもできたらDr.ストーンの千空みたいなキレキレの科学者とか研究者とかと結婚したいです笑。

渡辺)なるほど笑。結婚観も一般的なものとは大分異なる点もありそうですね。

ハヤカワ)そうですね。たぶん、26,7くらいまでには結婚するかなーと思うんですが、30代まで結婚してなかったら、友達カップルの養子に入るプランも考えています笑。

渡辺)それは、新しいあり方ですね。

ハヤカワ)あとは、日本でやりきっていろんなことできていれば、海外に移住してもいいかなって思っています。日本食が好きなので、そこはネックではありますが。

渡辺)ほんと、好奇心がつきませんね。今日はありがとうございました。