経営戦略支援を通して、より良い社会を目指す。元SBIホールディングス取締役・伊藤雅仁の躍進

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氏名 伊藤雅仁
肩書 経営戦略センター株式会社 代表取締役社長
略歴 1991年 (株)三菱銀行に入行し、中小法人取引や市場部門を経験。
1998年 ソフトバンク(株)に入社し、財務部門で大型の資金調達を経験。
2001年 ファイナンス・オール(株)代表取締役として、株式上場を果たす。
2006年 SBI ホールディングス(株)取締役常務執行役員に就任。
2011年 JASDAQ 上場の(株)ケイブ代表取締役CEOに就任、エンターテイメント企業の経営に携わる。
2012年 ヤフー (株)入社、新規事業立上げを担当。
2013年 ヤフー(株)子会社ワイジェイ FX(株)代表取締役CEOとして過去最高益を達成。
2020年 経営戦略センター(株)設立。

伊藤雅仁氏といえば、国内で活躍する有名な実業家の一人だ。同氏はソフトバンクグループ社長の孫正義氏の下で働き、SBIホールディングスの代表取締役会長兼社長である北尾吉孝氏の右腕としても活躍した実力者であり、上場企業2社で代表を経験し時価総額1,000億円達成するなど、経営者としても一流のビジネスパーソンでもある。

2020年よりIPOを目指す経営者たちをサポートしている伊藤氏に、現在に至るまでの経緯や事業内容についてお伺いした。

KEYPERSONの素顔に迫る20問

取材の前に、一問一答で20の質問に答えていただきました。

Q1. 好きな漫画は?

『キングダム』です。

Q2. 人情派? 理論派?

どちらかというと理論派ですね。

Q3. パン派ですか? ライス派ですか?

ライス派。

Q4. 都会と田舎のどちらが好きですか?

田舎の方が好きです。

Q5. 保守的? 革新的?

革新かな。

Q6. 好きなミュージシャンは?

最近はあまり音楽を聴いていません。

Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?

過去に店舗型のビジネスに挑戦したことがあり、先行投資しすぎて失敗しました。

Q8. 犬派? 猫派?

犬です。猫よりも犬の方が不規則な動きをしないイメージがあるから。

Q9. 現実派? 夢見がち?

現実ですね。夢も大切ですが、ビジネスするなら先を見通した上で現実と向き合わなくてはいけないので。

Q10. 今、一番会いたい人は?

楽天の三木谷さんです。起業家としてとても優秀な方だと思いますし、モバイル事業も成功してほしいなと。お会いしたことはあるのですが、あまり話せなかったので、一度ゆっくりお話してみたいですね。

Q11. 仕事道具でこだわっているのは?

ノートです。普段はデジタルツールを使うことが多いですが、考えをまとめたい時はノートに手書きしています。

Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?

基本的には前向きな人が良いですよね。あとは誠実な人。

Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?

SBIホールディングスの代表取締役会長兼社長である北尾さんの「ずっと数字と戦ってるんや」という発言です。明確な言葉として記憶しているわけではないのですが、こういったニュアンスのことを話されていたのを覚えています。

Q14. 休日の過ごし方は?

家でスポーツの試合を見たり、ジムに行ったりしています。

Q15. 好きな国はどこですか?

日本以外だと、アメリカですね。「アメリカンドリーム」という言葉があるように、努力すれば平等にチャンスを与えられるという考え方、カルチャーが好きなんです。

Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?

ディスカッションをしているなかで、クライアントの成長につながる結論が得られたときですね。

Q17. 息抜き方法は?

スマートフォンでスポーツ観戦したり、動画を見たりすること。

Q18. 好きなサービスやアプリは?

DAZNですね。

Q19. 学んでみたいことは?

生成AIの活用ですね。あと右脳領域を使えるようになりたいなと。左脳はAIに敵わないらしいのですが、人間の感性はAI時代にも重宝されるでしょうし、数字ばかり見ていると見落としてしまうものがあるので、右脳を鍛えたいです。

Q20. 最後に一言

物事はなんでもとらえ方次第だと思っていて。一つの出来事に対してポジティブにもネガティブにも受け取れるけれど、課題には必ず対応策があります。事実が一つだとしても、方法はいくらでもありますし、捉え方次第で結末は180度変わります。何か悩み事があるのなら、悲観する前に何か解決策を考えてみてはいかがでしょうか。

一歩引いた場所から全体を俯瞰する「ゲームメーカー」

—【聞き手:松嶋、以下:松嶋】はじめに自己紹介をいただけますか。

—【話し手:伊藤 雅仁氏、以下:伊藤】経営戦略センターの代表取締役社長である伊藤雅仁と申します。ソフトバンクグループ社長の孫さんや20問でも触れたSBIホールディングスの北尾さんなど、日本を代表する優秀な経営者と働いた経験と自身の経営経験を活かし、顧問として30社ほど支援させていただいているほか、IPOを目指している経営者のコミュニティ「Nマイナス」の代表も務めています。

—【松嶋】伊藤さんといえば、上場企業2社で代表を務めたほか、時価総額1,000億円を達成、合計200億円以上の買収・売却といった実績があり、“敏腕社長”というイメージを持たれている方が多いのではないかと思います。やはり子どものころからリーダーシップを発揮するタイプだったのですか。

—【伊藤】いいえ。昔から一歩引いて全体を俯瞰して見ているような子どもでしたね。活発なタイプでクラスの目立つグループにはいるんですけど、リーダー的な存在というわけではなくて。リーダーとも仲良くしているけれど、そのグループのなかで活動するのではなく、一歩外側からみんなを見ている感じですね。周囲と距離を置きたいというわけではなく、自分の世界をしっかりと確保しつつ、グループのそばにいたいというか。

—【松嶋】それは意外ですね。

—【伊藤】サッカーで例えるなら、ディフェンスではないし、フォワードでもないタイプです。どちらもやったことがあるのですが、向いていなかったんですよ。一番好きだったのは中盤でのゲームメイクですね。前線で攻めるよりも、仲間に良いパスを出せた時が一番嬉しい。

そう考えると、もともとの気質として“周囲を支える”という立場が好きなのかもしれません。昔から人の相談に乗ることも好きでしたから。

—【松嶋】主役として周囲を引っ張るのではなく、サポートする立場だったと。そんな伊藤さんが組織のリーダーである経営者になったきっかけは何だったのでしょうか。

—【伊藤】これといったエピソードはなくて、仕事をしているうちに気がついたら経営者になっていたという感覚ですね。ただ、父親が自分で事業をしていたこともあり、頭の片隅では経営者になることをずっと考えていたのかもしれません。強制されたわけではないものの、大学は商学部でしたしね。大学で経済について学ぶうちに、誰かに雇われるのではなく独立したいと思うようになったんです。

—【松嶋】なるほど。経営者として起業するというよりは、独立することを志されていたのですね。

—【伊藤】そうですね。大学生のときは、まずはベンチャーキャピタル(以下、VC)やコンサルティング会社に就職して、税理士の資格を取ってから独立して経営コンサルタントをしようかなと考えていました。というのも、大学生のときにインターンシップでアメリカに1年弱住んでいたんですよ。そこでベンチャー企業をサポートする仕組みがあることを知って、そういった事業をしたいと思うようになったんです。

異例の転職でビジネススキルが急速に成長

—【松嶋】大学を卒業されたあとは、三菱銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行されていますね。

—【伊藤】ええ。当時はVCやコンサルティング会社が少なかったので、就職を目指すのはあまり現実的ではないなと思い、近い領域である銀行を選びました。

—【松嶋】どんな業務をされていたのですか。

—【伊藤】はじめは法人取引を担当していて、貿易関連会社の外国為替のサポートや融資をしていました。そのあと、外国為替のディーリングも担当しましたし、市場リスク管理という部門の立ち上げにも携わらせていただいて。銀行には計7年ほどいて、いろいろ経験させていただきましたね。

—【松嶋】銀行を退職されたあと、ソフトバンクに転職されているのですよね。

—【伊藤】はい。ソフトバンクには30歳で入社しました。私は“バブル入社組”と言われる世代で、周囲には転職する人がほとんどいなかったんですよ。三菱銀行は当時から大きな会社で、対してソフトバンクはまだ知名度が低くて。転職することを友人に話したら「ソフトバンクという外資系銀行に転職するのか?」と聞かれたくらいです(笑)。

—【松嶋】今では考えられませんね(笑)。とはいえ、当時のことを振り返ると、大きな挑戦だったのでは。

—【伊藤】そうですね。でも、独立を目指していたので、税理士の勉強をしながら経営の勉強もできる財務経理ができる事業会社で働きたいと思っていたんです。当時は30歳を超えると他業種への転職は難しいと言われていたので、独立に向けて進むための良い節目でもあったといいますか。

それで、ソフトバンクに転職して希望通りの財務部に配属されて、今のSBIホールディングスの北尾会長兼社長の下で働くことになりました。そこでの仕事が、もう楽しくて仕方なくて。実は税理士の試験も1科目受かっていたのですが、方針転換してソフトバンクやSBIでの仕事に集中することにしたんです。

—【松嶋】夢中になれる仕事が見つかったと。ソフトバンクでは、テレビでも取り上げられるほど巨額の資金調達にも携わっていたそうですね。

—【伊藤】そんなこともありましたね(笑)。で、そのあとSBIホールディングスの前身となるソフトバンク・ファイナンスが立ち上がって、私はそちらに移りました。そのため、私自身がソフトバンクにいたのは1年半ほどですね。

—【松嶋】なるほど。そこからどんどん成果をあげられて、2001年には子会社であるファイナンス・オールの代表取締役として株式上場を果たされていますね。そこではどんな事業をされていたのですか。

—【伊藤】 保険やローン、リフォームなどの比較サイトを運営していました。

はじまりは自動車保険の一括見積もりとローンの比較サイトですね。赤字だったその二つの事業を黒字化して、関連するような比較サイトを新規で立ち上げたんです。ファイナンス・オールは最終的にヘラクレス市場(旧NASDAQ JAPAN)への上場も果たしましたし、そのほかにもSBIグループのなかでいくつか事業を立ち上げました。

学生時代に描いていた夢が、時を経て現実のものに

—【松嶋】そこまで活躍されていたのに、最終的にはSBIグループを離れる決断をされていますね。

—【伊藤】ファイナンス・オールはヘラクレス市場に上場して、経営は順調で株価も安定していたのですが、グループ戦略でSBIホールディングスに合併することになったんです。合併が決まったときに一区切りついた気がして、独立することにしました。

—【松嶋】なるほど。そこからはどのようなことをされていたのですか。

—【伊藤】2011年にJASDAQ上場のケイブの代表取締役CEOに就任し、2012年にはヤフーに入社して、新規事業の立ち上げを担当しました。そしてヤフーの子会社であるワイジェイ FXの代表取締役CEOとして過去最高益を達成するなど、さまざまなことに挑戦しましたね。

それで、一通り挑戦したあと2020年に経営戦略センターを立ち上げたんです。

—【松嶋】経営戦略センターでは、IPOを目指しているスタートアップの支援をされているんですよね。

—【伊藤】ええ。当初描いていた筋書きとは少し違うものの、学生の頃からやりたいと思っていたことを実現できるようになりました。

長年経営で会社を育ててきた経験を活かし、多くの会社を上場させるお手伝いをしたいなと考えています。

—【松嶋】とてもモチベーション高く取り組まれているのですね。

—【伊藤】そうですね。スタートアップに限らずですが、IPOは企業の成長促進につながりますし、その会社が提供しているサービスが世の中に広がっていくことにもなるわけです。上場企業は公共性があるため、社会に良くないと判断されるようなサービスを提供している場合はそもそも上場できませんよね。

つまり、上場企業を増やすこと=良いサービスを社会に広げることだともいえます。それは社会にとっても良いことだと思うんですよ。企業が必ずしもIPOを目指すべきだとは言いませんが、上場企業を増やすことは社会をポジティブな方向に進める鍵となると考えています。

—【松嶋】上場を目指す過程でコンプライアンス意識が高くなり、社内の体制が整うとも言いますし、IPOを目指すのは社員のためにも良いことですよね。

—【伊藤】IPOを達成するためには厳格な審査をクリアしなくてはいけませんからね。未上場であれば見過ごされるようなことが、上場企業では大きな問題となることもあります。短期的には生産性が下がることもあるかもしれませんが、中長期的に見ると、社内の体制が整っている方が事業成長にもつながる。そう考えると、IPOを目指すことで経営者も会社も磨かれるような気がします。

—【松嶋】とはいえ、IPOを目指すのは、非常に険しい道でもあります。

—【伊藤】そうですね。IPOを目指す人向けの教科書があるわけでもないですし、簡単に達成できることではありませんが、夢を追いかける経営者たちを全力でサポートしていきたいなと考えています。

一人ひとりに合わせたアプローチで経営者をサポート

—【松嶋】現在の仕事内容について、改めてご紹介いただけますか。

—【伊藤】上場を目指しているスタートアップの支援をメインに、「Nマイナス」という経営者コミュニティと「上場の法則」というYoutubeチャンネルを運営をしています。

—【松嶋】はじめに「Nマイナス」と「上場の法則」についてお話いただけますか。

—【伊藤】「Nマイナス」ではIPOに関する知識と事業グロースについての知見を共有しており、具体的な活動としては月例IPO社長会と題して、IPOを達成した経営者に登壇していただくイベントを開催しています。そのほか、各分野の専門家を招いてのオンラインセミナーやお昼休みの時間を使って何でも相談できるようなランチセッションも開催しています。

—【松嶋】経営支援のライト版というイメージですね。

—【伊藤】そうですね。ちなみにYouTubeチャンネルの「上場の法則」では、上場企業の経営者をお招きして、上場にまつわる裏話や資金調達などについてインタビューしたり、上場企業の経営戦略や経営状況などにまつわるトピックスを解説したりしています。

—【松嶋】ありがとうございます。それではここから、メインのスタートアップ支援について、詳細をお話いただきたいです。

—【伊藤】スタートアップ支援では、まずヒアリングからスタートして、経営者が目標としているゴールを定めてロードマップを引いてからどのようにサポートするのか決めるようにしています。あと、意外と事業計画書を作成していない経営者も少なくないので、その作成のサポートもしていますね。

—【松嶋】まずはロードマップをひいて、そこから戦略を立てると。

—【伊藤】ゴールがないと、何が足りていないのかもわからないですからね。あとIPOを目指すためには、メンバー全員が同じ方向を向いて進んでいかなくてはいけません。そのため、ミッション、ビジョン、バリューなどの理念設計から携わることもあります。

理念設計が先なのか、事業計画書が先なのか、どのように進めるかは「理念型」「数字型」「組織型」「プロダクト型」など各経営者の特性に合わせて順番を変えています。

—【松嶋】なるほど。サポートが手厚いですね。

—【伊藤】それに加えて、オンラインでの定期ミーティングやチャットでの相談にも応じています。定期ミーティングは社長と1対1ですることもありますし、私とスタートアップの経営陣、私と社長+現場の方、などパターンはさまざまです。

2つ目

—【松嶋】定期ミーティングではどのようなことを話されるのですか。

—【伊藤】経営全般です。人事や戦略、財務について相談を受けることもあります。定期ミーティングと一言で言っても、いわゆる壁打ちのように雑談するときもあれば、先方が打ち明けてくれた課題について話し合うこともあります。マニュアル化するのではなく、一人ひとり、各社それぞれに最適な方法で対応するようにしていますね。

—【松嶋】最近は経営支援をしている方が増えていますが、経営戦略センターの経営支援の特徴は、どのようなところにあると思われますか。

—【伊藤】私自身はサラリーマンからスタートして、経営者として0→1で事業をつくりあげて上場を果たし、上場後のグロースも牽引するなど、会社が成長する各フェーズを経験してきました。そのなかで培ってきた経営の型をお伝えすることができます。

先程のお話と重複する部分もありますが、経営理念的なことに加えて経営戦略と事業計画までしっかりサポートしますし、評価制度の設計や予実管理などの経営に関する知見も共有します。そういった仕組みを導入するところからアドバイスできるのは特徴なのかなと。

—【松嶋】現在もですが、まさに第一線でずっと活躍されていた伊藤さんだからこそできる支援なのですね。

—【伊藤】ありがとうございます。私は会社に関わる人全員がハッピーになると良いなと考えているんです。経営理念をつくったのに誰も内容を覚えていないとか、未上場の場合は予実管理もしていないというケースもある。それが悪いことだとは言いませんが、そういった部分に経営の仕組み、型を導入すると、社長だけでなく社員も仕事が楽しくなってハッピーになる。そうすると事業成長にもつながるため、外部のステークホルダーや株主、金融機関まで、みんなハッピーになるわけです。そういった仕組みをつくっていきたいですね。

歴史に名を刻む経営者との出会いを求め続ける

—【松嶋】現在はサポートに徹しているというお話でしたが、今度どこかのタイミングで事業を立ち上げる予定はないのでしょうか。

—【伊藤】いまは考えていません。事業をつくることとサポートでは、頭の使い方が全く異なりますし、今は関わっている企業さんのサポートに専念しようと思っています。

—【松嶋】個人的には、いずれは復活されるのかなと思っていました。

—【伊藤】どうなるかはわからないですけどね。現状では考えていません。世の中にはすごい人がたくさんいますし、そういう人を支援することが私の役割なのかなと。

というのも、私自身も30〜40代のころは孫さんや北尾さんを超えたいと思っていた時期があったんです。でも、あの二人は良い意味でとんでもない人たちですし、超えることは難しい。だからこそ、私ができることは、歴史の教科書に載るかもしれないような経営者の方々と近くで働いた経験を活かして、次世代の経営者をサポートすることだと思うんです。

—【松嶋】そのお二人と近くで働ける人は限られていますし、そんな経験をされているからこその知見はとても貴重ですよね。

—【伊藤】そうですね。その知見と経験を活かして、スタートアップであれ、オーナー経営であれ、上場を目指している成長志向の企業を支援していきたいですし、世の中にインパクトを与えられるような上場企業の創出に貢献したいですね。

—【松嶋】ありがとうございます。それではここで、読者へのメッセージをいただけますか。

—【伊藤】悩むこともあると思いますが、一番大切なことは常に平常心でいることだと思います。良いときも悪いときも、平常心を心がける。良いときに調子に乗ると足元をすくわれますし、悪いときは視野が狭くなりがちです。冷静に客観視してみると、大したことないと気がつくはずなのに。

また「自分は何もできない」と思っていたとしても、客観視すると意外なスキルを発見できるかもしれません。自分のスキルをどのように活かすか、足りない部分はどのように補うのか、その点についても客観視することでアイデアが浮かんでくるはず。俯瞰して客観視するためには、平常心でいることが大切なんです。

ただ、ロボットみたいになれと言いたいわけではなく、落ち込むときは徹底的に落ち込むのも一つの手だと思いますよ。1回徹底的に落ち込んでみると、自然と平常心に戻りますからね。「得意淡然 失意泰然」。良いときは淡々と、悪いときはゆったりと構えようと。

—【松嶋】最後に経営者に向けても一言いただきたいです。

—【伊藤】企業が成長するかどうかは、経営者次第です。明確なビジョンを持っていて、達成意欲が強いこと、この二つはマストですね。加えて、チームで事業を動かしていける人でないと、会社を成長させるのは難しいかもしれません。一緒に働く人をいかに大切にできるか、その観点も非常に大事ですね。

—またソフトバンクグループでは「1円でも予算が達成できなければ負け」と言われていました。それだけ数字を厳しく管理する必要がありますし、そういった感覚を身につけることも重要だと思います。

—いろいろとお話ししましたが、経営者は孤独です。またオーナー企業は周りが見えていないケースもありますし、本当はもっと成長できるはずなのに、燻っている人もいるでしょう。1人で何とかしようとしても解決できないケースもありますし、そういう方こそご支援したいと思っているので、ぜひ一度お話を聞かせてください。孫さんや北尾さんを超えるような経営者の方に出会えることを楽しみにしています。


【クレジット】
取材・構成/松嶋活智 ライティング/西村友香理 撮影/原哲也 企画/大芝義信

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