「就活の常識を変える」―“プッシュ型”マッチングで急成長。オーダーワークス森山氏が描く、逆境から生まれた次世代のマッチングプラットフォーム構想
Interviewee
株式会社オーダーワークス代表取締役
森山遊
大学を卒業後に専門商社にて営業を経験後、人事として新卒200人採用の立ち上げを行い、人材ベンチャーの執行役員を経て2019年9月に独立。 人事時代から一貫して学生・若年層のキャリア形成に関わり、現在は就活支援サービスを開発する傍らで企業の新規事業コンサルや複数の大学で就活に関わる講演を行う。2019年12月には東京都主催のビジネスコンテスト「start up stage2019」にて協賛賞を受賞。
コロナ禍直前に創業し、現在では累計登録者数8万人、月間5000人増という急成長を遂げる就活支援サービス「らくらく就活」。
「学生目線」「LINE完結」「プッシュ型レコメンド」といった特徴を持ち、従来の就活サービスとは一線を画す本サービスを運営するのは、株式会社オーダーワークス代表取締役 森山遊氏。
本稿では、森山氏自身の苦しい就職活動の原体験と、幾多の困難を経て生まれた事業への強い想いに迫ります。

就活の”不”を解消する「らくらく就活」の本質
—【聞き手:岡崎美玖、以下:岡崎】現在どのような事業に取り組んでいらっしゃるのか、改めてご紹介いただけますでしょうか。
—【話し手:森山遊氏、以下:森山】株式会社オーダーワークスで代表取締役を務めている、森山遊と申します。2019年の創業当時から行っている就活支援サービス「らくらく就活」では累計登録者数が8万人を超え、毎月5,000人もの学生に使って頂いています。
—【岡崎】創業時期を考えると、まさにコロナ禍と重なった大変な時期だったのではないでしょうか。
—【森山】創業して半年ほどでコロナ禍に突入してしまいました。
キャッシュもほとんどない状態で、最初の3年間くらいは事業らしい事業はほとんどできていなかったので、「らくらく就活」が本格的に動き出したのはここ2、3年という感覚です。
—【岡崎】現在、就活サービスは数多く存在しますが、その中で「らくらく就活」ならではの強み、特に注力されている点はどこにありますでしょうか。
—【森山】私達のサービスの最大の特徴は、徹底的に「対学生向け」にサービス設計をしている点です。中でも学生が就活で最初につまずきやすい、悩みやすいポイントを解決することに注力しています。
具体的には「SPI対策」、「AIによるES(エントリーシート)の添削・作成支援」、「自己分析サポート」、「適職診断」の主に4つのコンテンツを「らくらく就活」に登録すれば全て利用できるようにしています。
—【岡崎】なるほど。就活生が初期段階で抱えるであろう課題を網羅的にカバーされているわけですね。
—【森山】そうなんです。「らくらく就活を使えば、就活の最初のハードルはだいたいクリアできるよね」と思っていただけるようなサービスを目指しています。そこが他社さんとの大きな違いかなと考えています。
当社のサービスはLINEをベースにしているので、まず学生にLINEで「らくらく就活」を友だち追加して頂き、簡単な会員登録を済ませると、先ほどの4つのコンテンツが全て使えるようになります。
—【岡崎】LINEで完結するのは手軽で良いですね。わざわざ別のサイトにログインしたり、アプリをダウンロードしたりする手間がないのは嬉しいですね。
—【森山】そうなんです。例えば、LINEのメニューから「SPI対策」を選ぶと、すぐに問題演習の画面が立ち上がります。現在2000問近く入っているので直前対策まで役立ちます。ESの添削も同様に立ち上げ、ご自身のESをコピー&ペーストして項目を選んで「添削」ボタンを押すだけでAIがフィードバックを返しますし、逆にゼロからESを作成する機能もあります。自己PRなどの項目を選び、いくつかの質問に答えていくだけで、希望文字数に合わせた文章をAIが生成してくれる仕組みになっています。
—【岡崎】AIがES作成までサポートしてくれるとは驚きです…!自己分析もAIが担っているのでしょうか。
—【森山】はい。いくつかの質問に対して「本来の自分に近いか」「普段意識していることか」といった形で答えていくと、その結果をもとにAIが長所と短所を分析して提示してくれます。全ての機能がLINE上でシームレスに連携しているので、ストレスなく利用できるかと思います。
まさに至れり尽くせりですね。私の就活時代にも欲しかったです(笑)。この一連の機能は、どれくらいの期間で開発されたのでしょうか。
—【森山】明確に「この期間で完成」というよりは、作りながら改善していく、というのをずっと続けてきました。ただ大枠の仕組みとしては、おおよそ1年くらいかけて作り上げてきたというイメージです。
学生が就活で最初に感じるであろう「不便さ」や「不安」を、徹底的に解消したいという思いで開発を進めてきました。

50社落ちの挫折とトップセールスの経験。リーマンショック世代の原体験が導いた起業への道
—【岡崎】学生への徹底的な寄り添いを感じるサービスですが、そもそも森山さんがこの就活支援の領域で起業されようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
—【森山】根幹にあるのは、やはり自分自身の就職活動の経験です。私は2010年卒、リーマンショックの翌年に就職活動をしていた世代なんです。
—【岡崎】就職氷河期とも呼ばれた最も厳しい時期のひとつですね…。
—【森山】本当に心身ともにボロボロで、とても苦戦しました。おそらく50社以上は落ちたと思います。その時の悔しさや理不尽さみたいなものが、原体験として強く残っています。
なんとか専門商社に入社できたのですが、そこで営業職に就き、3年間で幸いにもトップセールスとして成果を出すことができました。その実績を評価していただき、今度は新卒採用の立ち上げを任されることになったんです。これが、私が新卒採用に関わる最初のきっかけでした。
—【岡崎】ご自身の苦しい経験と、採用側の視点、その両方を早い段階で経験されたわけですね。
—【森山】はい。採用担当として多くの学生と向き合う中で、改めて感じたことがありました。まず、その年の景気や市場動向によって、学生の内定の出やすさが全く違うということ。そして、私自身がそうだったように、就職活動では全く評価されなかった学生が、いざ社会に出てみると素晴らしい活躍を見せるケースが少なくないということです。就活時点での評価と、実際の仕事でのパフォーマンスには、必ずしも相関関係がない、むしろギャップがあるのではないかと感じたんです。
加えて、私自身の学歴も関係しています。私は神奈川大学出身なのですが、正直、一般的に言うところの有名大学ではありません。いわゆる高学歴と呼ばれる大学生は、自分で情報をキャッチアップする能力も高いですし、周りにも優秀な友人や先輩がたくさんいて、情報交換をしながら効率的に就活を進められる環境があることが多いんです。
その一方で、そうではないかつての私のような学生は、周りも就活にそこまで積極的ではなかったり、情報収集の術を知らなかったりと、どうしてもスタートが遅れたり、不利になったりしがちです。私自身も、リーマンショックの影響がどれほど深刻かなんて、当時はよく分かっていませんでしたから。
そういった、情報リテラシーという点で少しハンデがある学生に向けたサービスを作りたい、という思いが強くありました。情報格差を少しでも埋められるような存在になりたかったんです。
—【岡崎】なるほど。そのギャップを埋めたい、という思いが今の事業に繋がっているのですね。一方で、会社員として順調なキャリアを歩まれていた中で独立して起業するというのは、大きな決断だったのではないでしょうか?
—【森山】そうですね。直接的なきっかけは、いくつかありました。一つは、新卒採用の立ち上げをしていた際に、外部のコンサルタントの方に入ってもらっていたのですが、1年ほど一緒に仕事をする中で「この仕事内容であれば、自分にもできるんじゃないか?」と感じていくようになっていたことです。
もう一つは、営業時代に大変お世話になった取引先の役員の方の存在です。その方は派遣会社の役員さんで、私はその会社の派遣スタッフさんの教育なども担当していたので、密に連携を取っていました。
私が人事部に異動したくらいのタイミングで、その役員さんが、なんと40代半ばで外資系の保険会社に役員のポジションを捨てて営業職として転職されたんです。
しばらくして、私が人事に異動してほぼ毎日定時に帰る生活をし、目標も掲げずぬくぬくと仕事をしていた頃、その方から「ご飯行こう」と誘われたんです。
「きっと保険の営業だろうな、お世話になったし一度行ってあげようかな」くらいの気持ちで会いに行ったのですが「俺がなんで転職したかわかるか?」と聞かれ、こう話してくれたんです。
彼は長年、派遣スタッフのマネジメントをしてきて、現場が変わる際には多くのスタッフが彼についてきてくれたそうです。ところが、私が派遣先の責任者になった時、私が現場で一生懸命スタッフと向き合っていた姿を見て、スタッフの皆さんが「森山さんのために」と、全員私の方に残ることを選んだ、と。
—【岡崎】森山さんの仕事ぶりが、スタッフの方々の心を動かしたのですね。
—【森山】その経験を通して、彼は「自分はマネジメントばかりで、現場で汗をかく営業を若い頃にしてこなかった。このままじゃダメだ」と感じ、自身の人生を変えるために役職を捨てて営業への転職を決意した、と。
そして「そんな俺を変えるきっかけになった君が、人事でぬくぬくやっているのは許せない。君は本当はどうしたいんだ?」と、強く問われたんです。
—【岡崎】その役員の方にとって、森山さんは大きな存在だったのですね。そして、今度は森山さんがその方から影響を受ける番だったと。
—【森山】まさに。その言葉と、先ほどのコンサルの件もあり、彼に「人材領域で自分でビジネスをやってみたい」と思いを伝えました。すると「俺のコネクションを全部紹介してやるから、そこで何かきっかけを掴め」と言ってくださり、毎週のように麻布で開かれるベンチャー社長が集まる飲み会に連れて行ってくれるようになったんです。
ただ、そこで多くの社長さんと名刺交換をさせてもらう中で、また別の現実にも気づかされました。皆さん社長ですから、一介の会社員である私には誰も興味を持ってくれないんです。「ああ、君は社長じゃないんだ」という空気をひしひしと感じて「このままじゃダメだ」と強く思いました。
— そんな時、その会で知り合った一人でヘッドハンティング事業をやられている社長さんから、「これから会社を大きくしたいから、一緒にやらないか?」と声をかけて頂いたんです。二つ返事で「ぜひお願いします!」と即答し、次の日には会社に辞表を提出していました。
—【岡崎】行動が早い…!その会社ではどのようなことをされていたのでしょうか。
—【森山】その会社は人材紹介の免許を持っていたので「新卒向けの紹介事業をゼロから立ち上げさせてください」とお願いし、約2年半、お世話になりました。
事業もある程度軌道に乗り、人も採用できたタイミングで「そろそろ自分が抜けても大丈夫だろう」と判断し、独立に至ったという流れです。
—【岡崎】なるほど。本当に様々な人との出会いが、森山さんを起業へと導いていったのですね。ご自身の意思だけでなく、周りの方々の影響も非常に大きかったと。
—【森山】仰る通りです。「絶対に起業してやるぞ!」と昔からメラメラ燃えていたタイプかというと、そうではなくて。人とのご縁や流れの中で、気づいたら自分で会社をやることになっていた、という感覚の方が近いかもしれません。

創業直後のコロナ禍、資金枯渇の瀬戸際。絶望の淵で掴んだ再起の糸口
—【岡崎】そして2019年9月、満を持して株式会社オーダーワークスを創業されるわけですね。当時はどのような形で立ち上げられたのでしょうか。
—【森山】これもまた人のご縁なのですが、前職の商社時代の役員の方がずっと気にかけてくださっていて。背中を押していただき、その方に出資いただく形でスタートしました。あとは、当時の仕事関係で知り合った営業マンと私の実質2名での船出でした。
—【岡崎】まさにこれから、というタイミングで、先ほどお話に出たコロナ禍に見舞われたと。
—【森山】はい…。創業して半年で、です。実は、事業を早くスケールさせたいという思いもあり、その時点で既に正社員を5名ほど採用していたんです。
売上もほとんどない中で5人の人件費を抱え、そのままコロナ禍に突入。本当に、本当に大変でした。売上は立たず、キャッシュはどんどん減っていく。最初の3年間は、助成金や借入でなんとか食いつなぎましたが、事業らしいことは何もできませんでした。
—【岡崎】想像を絶する苦しさだったと思います。それでも事業を継続できた原動力は何だったのでしょうか?
—【森山】やはり、自分で始めた事業であること、そして最初から出資して応援してくださる方がいたこと。その方々への責任感、使命感が一番大きかったです。「始めた以上は、何としても形にしなければいけない」と。もう、自分だけの会社ではなかったので。
コロナ禍が少し落ち着き、新卒採用市場にも回復の兆しが見えてきた頃に「らくらく就活」の原型も出来上がり、さあこれから、というタイミングで、会社のキャッシュが完全に底をつきかけていたんです。
—【岡崎】市場は回復しているのに、動けない、という状況ですか…!
—【森山】そうなんです。そこで初めて本格的な資金調達に動きました。投資家の方々を回ったのですが、これが本当に厳しかったです。
ほぼ決まりかけていたVCさんからも直前で断られてしまったりして、半年くらい奔走しましたが、結局うまくいきませんでした。
本当にお金が尽きる、という状況になり、一瞬、諦めかけて廃業も覚悟しました。当時、娘がまだ1歳くらいだったのですがこんな借金を背負って家族に迷惑はかけられない、とも思いましたし…。
そんな時、妻から1通のLINEが来たんです。
「今日、娘が歯医者さんに行ったんだけど、初めて泣かずに頑張れたよ」と。
そのメッセージを見た瞬間、なんというか…「俺もこんなところで諦めちゃダメだ」と強く思ったんです。情けない話ですが、妻に頭を下げて「あと1ヶ月だけ頑張らせてほしい。子供の教育費から200万円だけ貸してくれないか」と頼みました。
—【岡崎】奥様も、覚悟を持って支えてくださったのですね。
—【森山】快く貸してくれた妻には本当に感謝しています。資金が尽きる最後の1ヶ月間で、本当に奇跡的に、あるエンジェル投資家の方との出会いがあったんです。
その方が中心となり、周りの方々も合わせて2600万円もの出資をしてくださって、文字通り九死に一生を得ました。あの時が、精神的にも金銭的にも一番辛かったです。まさにターニングポイントでした。
—【岡崎】壮絶な体験ですね…。その時のリード投資家の方には、なぜ投資を決めてくださったのか、理由を尋ねられたのでしょうか?
—【森山】はい。理由を聞いたら「いや、森山さんがいい人そうだったんで」と(笑)
拍子抜けするような理由かもしれませんが、とても嬉しかったですね。私達の採用でも大事にしている「素直で真面目で一生懸命」という部分と通じるものを感じて。やはり基本的なところが大事なんだな、と改めて思いました。

KEYPERSONの素顔に迫る20問
Q1.出身地は?
神奈川県の横須賀市です。
Q2.趣味は?
お酒を飲みに行くことと、寝ることも好きです。寝て回復するタイプなので(笑)。
Q3.特技は?
特技と言えるか分かりませんが…割とずっと働いていられること、でしょうか。元々子供の頃から一つのことに没頭するとそればかりやってしまうタイプです。
Q4.カラオケの十八番は?
最近の曲は歌えないですが…株主の方や昔の上司と行くときは、世代を合わせて松山千春さんとかを歌ったりします(笑)。
Q5.よく見るYouTubeは?
勉強系が好きです。歴史系のチャンネルをよく見ます。あとは、意外と料理のチャンネルを見ています。
Q6.座右の銘は?
特にこれというのはありませんが、強いて挙げるなら、投資家の方に言われた「いい人そう」という言葉は、自分の指針にもなっています。
Q7.幸せを感じる瞬間は?
仕事では、就活支援をさせていただいた方の入社が決まったり、入社後に活躍されている話を聞いたりした時です。現在は中途事業の立ち上げで自分も面談に入っているので、直接感謝されるとやはり嬉しいです。
プライベートでは、家に帰って娘と過ごしたり、お酒を飲んだりしている時でしょうか。
Q8.今の仕事以外を選ぶとしたら?
この仕事じゃなきゃダメ、というのはあまりなくて。極論、家族が楽しく食べていけるなら何でもいいと思っています。
ただ、介護の仕事には少し興味があります。人から直接喜んでもらえる仕事に魅力を感じますし、友人が介護士をやっていて、話を聞くと大変ながらもやりがいが大きいようなので。
Q9.好きな漫画は?
学生の頃に持っていたのは『闇金ウシジマくん』や『GTO』、『デトロイト・メタル・シティ』あたりです。
Q10.好きなミュージシャンは?
今は特定の好きなミュージシャンはいませんが、9歳上の姉の影響で小学校6年生くらいからずっと海外のヒップホップばかり聴いていました。大学生の頃からはハウスミュージックも聴くようになり、フェスにも行っていました。
Q11.今一番会いたい人は?
歴史上の人物で言うと、韓非子や、そういう組織論を考えた人に興味がありますね。どういう思考プロセスだったんだろう、と気になります。
Q12.どんな人と一緒に仕事をしたいですか?
「素直で、真面目で、一生懸命な人」。これがうちの採用基準です。能力が高いか低いかよりも、この3つが何より大事だと考えています。結局、面接だけでは人の本質なんて分からないからこそ、この基本的な姿勢を持っているかどうかが重要だと思っています。
Q13.社会人になって一番心に残っている言葉は?
やはり、投資家の方からの「森山さんがいい人そうだったんで」という言葉です。自分の信念とも重なったので、印象深いです。
Q14.休日の過ごし方は?
平日はなかなか時間が取れないので、できるだけ家族と過ごすようにしています。先日はいちご狩りに行ったり、お花見をしたりしました。
Q15.日本以外で好きな国は?
タイにあるサムイ島です。3回くらい行きました。みんな陽気で、根暗な人がいないんですよね(笑)。根暗な自分としては、そういう明るさにパワーをもらえます。
Q16.仕事の中で一番燃える瞬間は?
ピンチの時ほど燃えるかもしれません。計画通りにいかないことの方が多いですが、困難な状況に直面した時「よし、やってやろう!」と奮起する瞬間が一番アドレナリンが出ます。落ち込むこともありますが、立ち直りは早い方だと思います。
Q17.息抜き方法は?
Q17.息抜き方法は? 「息抜きしなきゃ」と思うことがあまりないです。周りから見るとストレスが溜まっているように見えるらしいのですが、自覚がなくて…。
妻に強制的に「温泉行ってきなさい」とか「今日は一日寝てなさい」と言われて、初めて「ああ、疲れてたんだな」と気付く感じです(笑)。
Q18.好きなサービスやアプリは?
投資関連のアプリはよく見ます。お金の変動を見るのが好きなので(笑)。 リアルなところだと、日産のレンタカーサービスです。安くて便利で…!
あとはChatGPTやGrokです。同じ質問を投げかけて、それぞれの回答について意見を聞き合う、みたいなことを一人でやっています(笑)。
Q19. 学んでみたいことは?
株の趣味からマクロ経済に興味を持つようになり、例えばアメリカの情勢が変化することで日本にどういった影響があるのか、というようなことをAIとキャッチボールしながら学んでいます。
Q20.最後に一言
幼少期から成功体験がないと思っていた自分ですが、言われたことを一生懸命やったり人のために頑張るということは徹底して行ってきた自負があり、大人になって結果的に自分に返ってくるんだなということを実感しています。なのでまずは、真面目にやるべきことを一生懸命やるというのが一番大事だと思います。

新卒から中途へ。“プッシュ型”マッチングで描く、次世代HRプラットフォーム構想
—【岡崎】創業からの苦難を乗り越え「らくらく就活」は新卒領域で急成長を遂げつつあると思いますが、森山さんご自身は、今事業のどの部分に最も注力されているのでしょうか。
—【森山】新卒事業の方は、ある程度私がいなくても回る仕組みになってきましたので、現在は立ち上げている最中の中途・第二新卒領域に自分自身がコミットしています。久々に自分自身で求職者の方と面談をしたり、企業様とやり取りをしたりしていますが、やはり現場の仕事は楽しいです。
困っている方の支援ができた時、直接感謝の言葉を頂けると純粋に嬉しいです。会社経営ももちろん重要ですが、こうした現場での手触り感も大切にしたいと思っています。
—【岡崎】今後の展開についてはどのようにお考えでしょうか?
—【森山】新卒向けの「らくらく就活」の仕組みは、ほぼ完成形に近づいてきたと考えています。現在はそのノウハウを活かして、中途や第二新卒領域へとサービスを広げているところです。
—【岡崎】具体的にはどのようなサービスを考えているのでしょうか。
—【森山】基本的な考え方は新卒向けと同じです。LINEをインターフェースとして活用します。サービスに登録いただくと、その方の属性や興味関心に合わせた求人特集記事などがLINEで配信されるようになります。
—【岡崎】いわゆるオウンドメディアのような形でしょうか?
—【森山】そうですね。記事をタップしていただくと、詳細な求人情報が表示され、そこからワンタップで説明会や面談に応募できる、という流れです。ここでも外部サイトへの遷移を極力なくし、LINE上でシームレスに応募まで完結できることにこだわっています。
—【岡崎】それは応募する側にとっても非常に楽ですね。通常だと、記事を見て、企業の採用ページに飛んで、さらに応募フォームに入力して…と手間がかかりますもんね。
—【森山】仰る通りです。さらに、応募してくださったユーザーに対して、当社のエージェント担当がご連絡し、面接対策などのサポートも行います。
求人媒体としての機能と、エージェントとしての機能を掛け合わせている形で、ユーザーはレコメンドされた求人に自分で応募することもできれば、エージェントに相談しながら転職活動を進めることもできる。その両方が、同じプラットフォーム上で連携しています。
—【岡崎】なるほど。ユーザーの行動履歴や属性データに基づいて、最適な求人や情報を「プッシュ型」で届ける、という点も非常にユニークだと感じます。
—【森山】従来の求人サービスは、ユーザーが自分で能動的に探しに行く「プル型」が主流でした。
ですが私達がターゲットとしている層の中には、「なんとなく転職したいけど、何から始めればいいか分からない」「自分にどんな仕事が合っているのか分からない」という方も多くいらっしゃいます。
そういった方々に対して、我々の方から「あなたにはこんな仕事が合っているかもしれませんよ」「こんなキャリアの可能性がありますよ」と、パーソナライズされた情報を届けることで、「受動的な能動性」を引き出すような、新たな行動を促すことができるのではないかと考えています。
なんとなく送られてきた情報が、たまたま自分の興味関心に合致していて、「じゃあ、ちょっと話を聞いてみようかな」と思ってもらえれば、それが一番楽ですよね。多くの人の意思決定って、実はそんな風に、ちょっとした後押しで決まることも多いのではないかと思うんです。
—【岡崎】この“プッシュ型”のマッチングモデルは、HR領域以外にも応用できそうですね。
—【森山】そうなんです。ユーザーの属性や行動履歴に基づいて最適な情報をレコメンドするという仕組みは、例えば不動産やECなど、様々な領域で活用できる可能性があると考えています。将来的には、この「LINE上のプッシュ型マッチングプラットフォーム」というコア技術を武器に、HR以外の分野にも事業を広げていきたいという思いもあります。

—【岡崎】壮大なビジョンですね!最後に、読者に向けてのメッセージをいただけますでしょうか。
—【森山】私達オーダーワークスが運営する「らくらく就活」は、いわゆる輝かしい経歴を持つエリート層だけではなく、就職活動に対して少し前向きになれなかったり、情報収集が苦手だったりする、ごく普通の学生にも使いやすいように設計されたサービスです。
そして実際に、そういった多くの学生が私達のサービスを利用してくれています。世の中には「新卒を採用したいけれど、あまりに優秀すぎたり、意識が高すぎたりしても、自社のカルチャーには合わないかもしれない」と感じていらっしゃる企業様も少なくないと思います。
そういった企業様にとって、「らくらく就活」は、自社にマッチする可能性の高い学生と出会えるプラットフォームになれるのではないかと考えています。ポテンシャルは高いけれど、まだ磨かれていない原石のような学生も沢山います。ぜひ、そういった学生との出会いの場として、「らくらく就活」をご活用いただけると嬉しいです。
【クレジット】
取材・構成・ライティング/岡崎美玖 撮影/原哲也 企画/大芝義信
Company
株式会社オーダーワークス
採用支援事業
就活メディア運営
概要欄
株式会社オーダーワークスHP
https://orderworks.co.jp/
らくらく就活
https://rakushu.jp/
「就活の常識を変える」―“プッシュ型”マッチングで急成長。オーダーワークス森山氏が描く、逆境から生まれた次世代のマッチングプラットフォーム構想