ドラマーから世界を目指す経営者へ。スターティアラボ北村健一の経営哲学とは?

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氏名 北村健一
肩書 スターティアラボ株式会社 代表取締役
出生 1977年9月23日
福岡県北九州市出身。ドラマーとしてプロミュージシャンを目指すが、結婚を機にスターティアグループに入社。営業で手腕を発揮し、電子書籍事業の立ち上げに関わった後、事業の拡大とともに分社化されたスターティアラボの代表取締役社長に就任。現在は台湾などへの海外展開に取り組む。

参考:https://www.startialab.co.jp/recruit/2018/interview/kitamura.html

プロミュージシャンを目指して上京したあと、一転して営業職へ。スタートアップ企業で頭角を現し、新規事業の立ち上げを担当。事業拡大を成功させ、現在は社長として海外展開に挑む北村健一さん。現代の立身出世物語を地で行くようなキャリアを歩んできた同氏に、転職時のエピソードや事業をグロースさせる心得、そして「キーパーソン」になることを目指す人々へのアドバイスをうかがいました。

経験ゼロ。ドラマーから営業への転職

—【聞き手:楯雅平、以下 楯】本日はよろしくお願いいたします。さて、さっそくですが、資料を拝見するとミュージシャンから営業職への転身というかなりユニークな経歴をお持ちのようですが、当時のご自身を振り返りつつ「新しい環境でチャレンジする」人に向けたアドバイスがあれば、教えてください。

【話し手:北村 健一、以下 北村(敬称略)】バンドマンからビジネスマンへの転職というとずいぶんと大きな変化に聞こえますが、私自身は実はそれほど違和感がありませんでした。「自分でイメージを作り上げて、それを元にお客様に喜んでいただく」というプロセスは音楽もビジネスも同じです。プロのミュージシャンを目指して上京したころは、音楽のデモ・テープを持ってライブハウスに飛び込み営業をして、スポンサーを獲得するということもしていたので、これはそのまま営業に生きています。

価値を認めていただくモノが「曲か事業か」「ライブか事業活動か」の違い、というのは当然ありますが、音楽とビジネスは似ている部分も多いと、今でも思っています。実は、弊社の役員にも元バンドマンが居て彼も同じく「バンド活動とビジネスは似ている」と言っていたので、同じ考えなのだと驚いたことがあります。

新しい環境に挑戦する方へのメッセージとしては「目標を高く持ち続ける」ことが大切だとお伝えしたい。チャレンジをするときは、誰でも、失敗するのが当たり前です。理想や成功のイメージがあるけれど、最初はそこからはほど遠い失敗ばかりのはずです。その時に、理想を下げてはダメ。当時の私も、新人としては高すぎるくらいの理想を持っていましたが、どれだけ失敗してもその理想を下げませんでした。人間は理想と現実にギャップがあると苦しいので、理想を下げて平凡な自分に満足しようとしますが、そこで踏ん張ることが大事なのです。

絶対に人に見せられない、秘密の習慣

—【楯】力強いメッセージですね。こうして対面でお話しをおうかがいしていても、とてもパワーを感じます。そのようなマインド、アティチュードを維持する秘訣は何でしょうか? 習慣として続けていることなどはありますか?

【北村】バンドマンの時も、営業マンの時も、手帳に「いつまでに、どうなる」という目標を書いて理想を明文化する、ということを続けています。スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』という有名な本がありますが、それに習ってノートに自分の価値観や優先順位を書くという習慣は10年以上続けています。有名な本ですけど、意外とちゃんとやっている人は少ないかもしれませんね。こういうベタなものでも、実行に移してやり抜けば大きな力になるものです。

ちなみに、私は、根はネガティブ・シンキングな人間です。でも、営業職に就いて成功している人を見ると皆ポジティブ・シンキングでした。だから、それを真似して、そこから学んで、自分の考え方もそちらに近づけていくようにしました。そうやって自分を変えて行くプロセスとして、日記に「自分との対話」を書いていたのですが、これは絶対に誰にも読まれたくない内容です(笑)。本当に、いま思い出しても気持ち悪い日記ですね(爆笑)。鍵がかかる手帳に書いていましたが、さすがに恥ずかしいのでもう処分しましたよ。

私も含めて皆「自分のことはわかっている」と思ってしまいがちですけど、実は自身について理解していることは少ないのです。兵法家の孫氏も「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と書いていますが、これはいわゆる自己分析や事業分析において自分たちを知ることが如何に大切かを教えてくれる至言だと思います。

みんなが腹落ちするまでビジョンを語り続ける

—【楯】そうしてナンバーワン営業になられたわけですね。さて、その後に新規事業を立ち上げた際のエピソードをお話しください。開発も営業も、社内リソースが無い中でのスタートだったと聞いていますが……?

【北村】当時は社内に専属の開発や営業はいませんでした。なので、私が日中営業として動いて、夜はシステム関連の仕事をする、という感じで毎日がむしゃらに働いていました。

—【楯】決して楽ではない状況だったと思いますが、その中でチームの士気を維持するのは難しくありませんでしたか?

【北村】幸運にも、立ち上げメンバーはモチベーションが高かったので、そこは恵まれていました。ただ、最初は目に見えるプロダクトはありませんから、気持ちを1つにするのが難しい。ですから、臆することなく夢やビジョンを語って、それを腹落ちしてもらえるまで続ける必要がありました。毎日のように話していると、チームメンバーもだんだんと「これは実現するんじゃないかな」という気分になりますから、それを続けました。

—【楯】事業リーダーとして仕事をする上で「優先順位決め」はとても重要な仕事だと思います。しかし、人的リソースも、時間も限られている中でその配分を決めるのは困難ではありませんでしたか?

【北村】いまの自分なら優先順位を決めて、質の高いものにフォーカスできると思いますが、20代の私にはそれはムリでした。とにかく、全てやろうと思って企画も営業もクリエイティブも全方位でやっていました。そもそも質のいい仕事をする上では量が必要だと思って、お正月以外は休まず働いていました。まぁ、いまは時代が違うのでこういった働き方はできませんし、もちろん部下に同じことはさせませんけどね(笑)。

スターティアラボのプロダクト

—【楯】そうして出来上がった製品が『ActiBook(アクティブック)』という電子書籍制作ソフトウェアなわけですね?

【北村】はい。電子書籍の制作ツールであり、プロモーションのためのツールです。具体的には電子書籍用のPDFをファイル制作し、オンラインで共有範囲を制限して共有したり、販売したりするためのソフトウェアとお考えください。現在は2,500社以上のお客様にご利用いただいておりまして、KADOKAWA様、小学館様などの出版社や広くは不動産や旅行業、官公庁の皆さまにも広くご導入いただいています。

—【楯】『ActiBook(アクティブック)』の得意とする点は?

【北村】『ActiBook Custom4(アクティブック・カスタム ・フォー)』というPC用のインストール型ソフトウェアでは、1つのコンテンツをウェブ用、iPhone用、iPad用、アンドロイド用に自動で出力できます。手作業で環境ごとに出力し分ける必要がありませんので、コンテンツそのものの制作に専念していただけるのがメリットです。もちろん、制作量の制限はないので何ページでも、何冊でも作り放題です。また、3GBまでのデータを扱える配信管理システム『ActiBook Manager2(アクティブック・マネージャー・ツー)』や読者がどこを熟読して、どこを読み飛ばしたかがわかるヒートマップ解析ができる『ActiBook HeatMapLog(アクティブック・ヒートマップログ)』や電話、メールサポートもセットになっています。

—【楯】お値段は?

【北村】購入数や期間によって異なるので、弊社のウェブサイトからお問い合わせいただければと思います。

また、より手軽にお使いいただけるサービスとして、PDFデータをご用意いただくだけで電子ブックの無料配信や販売、アクセス管理ができる『ActiBook One(アクティブック・ワン)』というサービスもご提供しています。どちらも無料のデモ版がありますので、まずはお試しいただければと思います。

—【楯】わかりました、記事にデモページのリンクを記載しておきます。



 » デモ|ActiBook Custom4(アクティブック・カスタム・フォー)



 » デモ|ActiBook One(アクティブック・ワン)



—【楯】『ActiBook(アクティブック)』シリーズ以外で御社が提供されているサービスは?

【北村】『COCOAR(ココアル)』という拡張現実(Augmented Reality)コンテツ制作支援サービスがあります。ARを使った『ポケモンGO』というゲームが大きな話題になりましたが、私たちはその6年以上前からARに取り組んでいます。「拡張現実」と言われると難しそうに聞こえますが、プログラミングや専門知識不要でコンテンツを作成できるので安心してください。カフェのプロモーションやお店のチラシなどにも気軽に使えるように作っているので、ぜひ、気軽にデモ版を試してみてください。



 » デモ|COCOAR(ココアル)



また、ウェブサイトの制作管理用ツール『CMS BlueMonkey(シーエムエス・ブルーモンキー)』やデータベース『Plusdb(プラスデービー)』、ウェブサイトの企画、制作、コンサルティング、運営、保守やウェブアプリケーションの企画、開発、販売、保守、なども行なっていますので、ご興味がお有りの方は弊社のウェブサイトをご覧いただくか、お問い合わせをいただければと思います。



 » スターティアラボ公式ウェブサイト



 » オンラインフォームでのご連絡はこちら → お問い合わせページ|スターティアラボ



 » お電話でのお問い合わせはこちら → 0120-919-901


  ※ 受付時間:平日:9:00~18:00 定休日:土日祝祭日、その他同社指定の休日による

失敗した時こそ、目標を高く持ち続ける

—【楯】現在の北村さんは経営者としてマネジメントのお仕事をされています。現在のお立場から見て、当時の自分にアドバイスを送るとしたら、いかがでしょう?

【北村】「チームとして成果を出すことを意識する」ですね。現場に要るときから意識していましたが、会社やチームが何を目指しどこに向かっているのかを常に念頭において、それに併せて自分の能力と時間を使って行くことが大切ではないでしょうか。

—【楯】「国内の売り上げを海外で追い抜きたい」とおっしゃっていますが、現在はどのような取り組みが進んでいるのでしょうか?

【北村】スターティアグループとしては2011年からアジアへの展開をしていますが、スターティアラボとしては2015年に台湾に視点を出して「台灣思達典雅股份有限公司」として法人化し、『COCOAR(ココアル)』などの営業を開始しました。また、中国本土にも、現地の上場会社と合弁企業をつくっています。最初は「とにかくチャレンジする」という気持ちでスタートして、現在はある程度形になってきているので、後は実践のなかで足りない部分を補っていくという感じで進めています。

—【楯】最後に、スタートアップ企業で働きたい、あるいは将来御社のような会社で働きたいと思っている方にアドバイスをお願いします。

【北村】過去を振り返ってみると、当時の自分にいまの自分は想像できませんでした。ざっくりと「すごいビジネスマンになりたい」という思いや理想はありましたが、正確に今の状況を予測できたかと言われれば、まったくそんなことはありません。とにかく理想の自分を目指す中でむちゃくちゃたくさん失敗をしていた記憶がありますが「失敗した時こそ成長できる、学べる」と昔も今も思っています。逆に物事がうまくいってる時はあとから振り返る「この時期なにをやっていたのだろう?」と思うこともあります。失敗していないときはチャレンジしていない時なので、失敗をした時こそ「成長中なんだ」と思って理想を下げないようにしてください。

—【楯】本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。

【北村】ありがとうございました。

Company
企業 スターティアラボ株式会社 Startia Lab, Inc
所在 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス19階
業種 電子ブック作成ソフト『ActiBook(アクティブック)』などのウェブアプリケーション企画、開発、販売、保守。ウェブサイトの企画、制作、コンサルティング、運営、保守、など。
URL https://www.startialab.co.jp/



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