イノベーティブなチーム作りに重要なことは「力を抜いて、オープンになること」。大手メーカーのデジタルコンテンツの企画・開発を多数手がけるトンガルマンCEO水野氏

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氏名 水野博之
肩書 トンガルマン株式会社 代表取締役 兼 CEO 兼 CTO(チーフトンガルオフィサー)
アパレル系企業、求人メディア運営企業での勤務や、スタートアップに創業メンバーとして参画し、実務と経営経験を積む。デジタル時代の潮流を読みWebマーケティングおよび制作会社に入社。手腕が買われ、2012年にトンガルマン株式会社 代表取締役 兼 CEOに就任。同社が開発した”トントンボイス相撲”が業界最高峰の広告賞カンヌライオンズに入賞。

Digital Transformation略してDXは、ビジネスシーンで一番ホットなワードだ。流通チャネルや顧客管理、業務改善など、デジタル活用の幅は多岐にわたる。 コロナ禍でも、行政そのものや関連機関との連携でDXの遅れが浮き彫りになり、2021年9月にはデジタル庁が発足した。DXの流れは必須であり、経営者の目下の課題である。 一方で、企業がDXに取り組む中で、新しいプロダクトやサービスを生み出す際に必要になるイノベーション人材が不足していると言われて久しい。

今回は、アプリやデジタルコンテンツの開発支援を行うトンガルマン株式会社 代表取締役社長 水野 博之氏にインタビュー。イノベーション人材に必要なマインドセット、思考法についてお聞きした。

※ 本インタビューは緊急事態宣言が発出される以前に、感染症対策を行なった上で実施しています。また、取材後2週間が経過した時点で、関係者に新型コロナウィルスに関する症状はありません。

刺さるアプリを開発する、トンガルマン

–—【聞き手:松嶋、以下:松嶋】『ザ・キーパーソン』は、ジャンルや年齢を問わず活躍されている方にインタビューし、時代のキーパーソンから学ぶことをコンセプトにしたメディアです。今回は、トンガルマン株式会社 代表取締役社長の水野さんにお話をお聞きします。まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

—【話し手:水野氏、以下:水野】トンガルマン株式会社 代表取締役社長の水野と申します。2012年にアプリ制作事業を分社化して立ち上がった会社です。事業内容はアプリ事業の他、Kinectを使ったイベント、ハードやIoTデバイスの開発、映像制作など、新しいテクノロジーを活用した開発や新規事業創出の支援をしております。

また、最近は海外展開にも力を入れています。2017年にベトナムに行った際にビジネスチャンスを感じ、翌年に現地拠点を立ち上げました。ベトナムは、エンジニアが非常に優秀で、まだまだ人件費も安く、日本の高度経済成長期のような活気があります。また同時期に、トンガルマンの子会社として中国のSNSマーケティング会社も立ち上げ、そちらの取締役も担当しています。日本国内でフリーランス、常駐パートナー含めると40名ぐらい、ベトナムには20名ほど従業員がいます。

—【松嶋】水野さんはトンガルマンで、CTO(チーフトンガルオフィサー)という肩書もお持ちですね。トンガルマンの社名への想いとあわせてお聞かせください。

—【水野】トンガルマンの設立当時は、アプリが未だ企業活用されておらず、個人で開発したミニゲームが稼ぐ状況でした。今後、その分野は伸びる読みもあり、会社を分社化することになりました。

分社前のWeb制作会社であるGPオンラインは、すごく真面目なカルチャーを持っていました。新設するトンガルマンは、チャレンジ精神があってイノベーティブな会社にしたい想いがあり、社名をトンガルマンにしました。コンセプトは、「刺さるアプリ、おみまいします」です。

—【松嶋】トンガルマンをイノベーティブな会社にしたい想いがあるとのことですが、そのように思われる体験があったのでしょうか?

—【水野】前職では広告代理店から受託するケースが多く、企画よりも制作のみを担当するケースがほとんどでした。しかし、大きな案件を対応していると、企画も求められるようにもなりました。そうして、企画を前面に押し出した会社をやっていきたい想いが強くなり、トンガルマンを立ち上げました。

今では様々なプロジェクトにおいて企画だけではなく新規事業開発の支援などにも携わるようになり、アプリ開発だけでなく、Webシステムやイベント型の体感コンテンツ、IoTデバイスの企画開発なども行っています。ターニングポイントとなったのは、2016年に世界ゆるスポーツ協会と、スポーツに苦手意識のある方々でも楽しんでもらえるような新しいスポーツを作ろうと、「トントンボイス相撲」を企画・開発したことです。これは、声を出す機会が減ると元気も減ってしまうのではないかという老人福祉施設の課題にフォーカスし、声量に反応して土俵の下から突き上げるデバイスになります。声を発することで紙相撲が動くのですが、実際に施設の方々に体験いただきとても喜んでいただけたのは非常に良かったですね。そして、この「トントンボイス相撲」を世界的なクリエイティブアワードのカンヌライオンズに応募したのですが、複数の賞をいただくことができました。加えて、その他国内外の賞もたくさんいただき、最終的にはおもちゃとして製品化されたこともあり、私たちの飛躍のきっかけになったと感じています。

—【松嶋】2012年の設立時から今に至るまで、事業内容も変わられていますか?

—【水野】かなり変わってきてますね。企業は成長期から成熟期に移り変わると、リスクあるチャレンジを避けるなど意識が内向きになりますが、弊社はリスクをとって、新しいことにチャレンジすると決めています。とにかく実現することに重きを置いて活動していると、自然と実現できる手段が拡がっていきましたね。様々な企業やフリーランスの方にもご協力いただいて、私たちだけではできないことも一緒に実現し、その中でそれらを学び・吸収しています。

クリエイティビティ、チャレンジ精神の源泉

—【松嶋】トンガルマンの前職では、どんなお仕事をされていたんですか?

—【水野】Webディレクション、アカウントプランニングを2年ほど担当していました。前職に入社した当時から「将来は独立したい」と言っていたので、分社化の際に僕に声がかかったということだと理解しています。

—【松嶋】それより前は、どんなキャリアを積まれたのですか?

—【水野】新卒でアパレル系の会社に入社。その後、スタートアップに創業メンバーとして参画しましたがうまくいかず、リクルートメディアコミュニケーションズに中途入社しました。1年半ほど在籍した後、少し休養してWeb制作会社に入社しました。様々な業界を渡り歩いていますが、形は変われど物作りには常に関わってきたように思います。

前職に移ったのは、これからはデジタルの時代が来ると思ったからです。リクルートの時に、ネットの求人広告部門から紙主体の部門へ異動しました。紙主体の部門に在籍すると、Webの力をより感じ、次のキャリアはデジタル領域に進みたいと思いました。そうしてご縁があったのが前職のWeb制作会社でした。

—【松嶋】お話をお聞きして、水野さんは刺さるものを作りたい思いが強いのかなと思いました。

—【水野】そうですね。チャレンジするのが好きなんです。10代後半からずっとストリートダンスをやっていて、ダンスで鍛えられたところがあると思います。世界チャンピオンに上り詰めたダンスの先輩が近くいたのですが、夜中の12時から朝の7時まで一緒に練習して、正直言ってすごくきつくて、耐えられずに逃げ出す人が多発していました。ただ先輩を通じて、世界に出るとはどういう事かを傍目で見て、やはり業界は狭いと言えど世界の頂点に昇り詰める人のマインドは違うのだなと感じましたね。

僕自身も遠征して色々な大会に出たり、アメリカに留学して本場の空気を感じたり、積極的に活動していました。外国語大学だったので、友達も外国人が何人かいて価値観が広がりました。とにかくまずは動いたり、新しい価値観を得るのは好きですね。

—【松嶋】チャレンジすることは、学生のころから好きだったんですか?

—【水野】高校までは滋賀県で暮らしていて、すごく田舎だったんです。田舎であるがゆえに閉鎖的なところもあり、自分が勝手に感じていただけかもしれませんがチャレンジする場所やチャンスがあまり無いように感じていました。ずっとそこから出たい、チャレンジしたい夢は持っていました。

そんな中、高校生だったころにものづくりで人を動かす体験が出来たことは大きかったと思います。当時コンバースのワンスターに、カラーバリエーションが出始めたのですが、真っ白なものがほとんどで。カラーバリエーションがあるものは学生にとっては高価で買えなかったし、何より自分好みではなかった。それなら自分で作ろうと思って、スプレーを使って色を塗り始めたんです。そしたら、友達みんなが真似して。トレンドができるプロセスを実感しましたね。

チーム作りに重要なこと

—【松嶋】ものづくりやチャレンジ精神は学生時代に培われたんですね。他と差別化しようとすると、人との違いを追求することが多いと思いますが、貴社のワークを拝見すると、手堅いアウトプットなように感じます。そこは意識されているポイントなのでしょうか?

—【水野】僕は両極端を知った上で、自分の価値観を作ることを重要視しています。極端な考え方に蓋をして知ろうとしないと、考え方が固まってしまったり、学びが得られません。また、一辺倒であってはなりません。僕たちで言えば、チャレンジはもちろん、ちゃんとポイントを押さえることも重要だと思います。

弊社では行動指針を3つ掲げています。「一点突破」「協創を面白がる」「極端知り中庸を得る」です。ひとつめの「一点突破」は、自分の視野を広げるためにとにかく一回突き抜けてみることです。なので、見た目の完成度を最重要視していない時もあります。綺麗にまとめすぎると、本質を捉える前に満足してしまうシーンがあって、それは課題解決になっていません。僕たちの業態では、”クリエイティブ” ”テクノロジー” ”ビジネス”の3つの軸で語られることが多いと感じています。発想の豊かさや人を惹きつける魅力があるか、技術力や生産性、課題解決力や価値の高さといった価値提供軸ですね。僕たちは、プロダクトに思想を落とし込む上で、”テクノロジー”を最重要視しながら”ビジネス”設計ができる”クリエイティブ”の会社でありたいと考えています。

—【松嶋】組織は大きくなると、安定を求める人が多くなる傾向があります。そこで気をつけられていることはありますか?

—【水野】実際に安定を求める人は今後増えることはあると思います。そうした中で経営者ができることは、メンバーが自分で決める割合をどこまで増やせるかです。ワンマン体制やマイクロマネージメント方式ではなく、メンバーが思考停止にならずに自らの考えを実現できる環境を用意することが仕事だと考えています。予算の使い方もメンバーと話しながらマネージャーが考えることがあり、どんなに僕が気に入らないものであっても口を出せない領域をあえて作っています。

自分の人生も含めて、自分で決定することは重要です。企業がメンバーに対してやるべきことは、ルールよりも原理原則を共有することです。行動指針も立てますが、原理原則から大きく外れなければ基本的には容認します。例えば、リモートワークをするか出社するかについても、自分で決めてほしいですね。「自己管理ができない人は出社しよう」と、アドバイスはしますが、自分で決められる状態が一番良いと思います。

—【松嶋】メンバーに権限委譲することで、実際に企業に良い効果は出るのでしょうか?

—【水野】弊社では自分がやりたいことを言語化してもらったり、リーダーが引き出したりすることで良い環境が作れていると思います。

最初は問題が必ず起きます。しかし、その問題に対する向き合い方も含めて、自分たちで考えてもらいます。一旦は落ち込むかもしれませんが、それは伸びしろがあるということ。落ち込むことは、過渡期でしかありません。

それはメンバーに限らず、クライアントにも考える大切さをお伝えしますね。僕たちは、プロとしてアドバイスをするだけで、何がしたいのか、数ある選択肢の中からどう決めるのかはクライアント側がやるべきことだと思います。

クライアントと仕事を面白がりながら成長していきたい

—【松嶋】今後、トンガルマンとしては、どういう風に進んでいくのかお伺いしたいです。

—【水野】クライアントワークを時代遅れと捉える方が、この4、5年で増えている印象があります。事業会社での就職を望み、制作会社・受託会社は対象外とする方が多いそうです。ただ事業会社に入ると、組織の一部になって、ある部門の最適化を担う業務が中心になってしまう。ビジネスやクリエイティブを学ぶ機会は、あまり無いように思います。それを何年も続けると、モチベーションも上がらないでしょう。一方、クライアントワークはクライアントのためにものづくりをしたり考えたりしますが、色んな案件と携われて、すごくダイナミックです。クライアントワークは、トンガルマンの軸としてぶらさずにやっていきたいです。

また私たちのレイヤーも上げたいですね。今も制作業務だけでなく、イベントをプロデュースしたりPRの企画に携わっていますが、今後は経営、デジタル活用のコンサルティング業を実現したいです。

あとはグローバル展開も意識していてます。中国もそうですけど、最近ウクライナの企業と業務提携して、UI/UX設計の海外ノウハウを吸収しようと計画しています。外国人採用にも力を入れていて、今もフランス人でインターンシップの方から、海外の手法を学んでいます。メンバーも僕も外に価値提供できるように、価値を吸収しているフェイズです。プロデュース力や繊細なクリエイティブは日本に一日の長があると思うので、これを強みにグローバル展開を目指していきたいですね。オフショアをネガティブに捉える方もいるかもしれませんが、日本のクリエイティブが世界中でより価値を発揮する日も近いと考えています。

—【松嶋】コンサルティングは、具体的にどのようなことをされるんですか?

—【水野】新規事業創出、スタートアップスタジオですね。事業そのものを作ること、DXを軸にしたカルチャー作りなど、開発まで一貫して携わります。クライアントのしたいことを言語化、イメージ化して、ビジネスモデルも作って、実行まで携わる。また、チームとしてクライアントにもしっかり汗をかいてもらい、デジタルのノウハウを溜めて並走できるようにと考えています。そういうことができると、企業価値が非常に高くなると思いますね。

—【松嶋】先ほど、クライアントワークのお話しもありましたが、トンガルマンのやり方をクライアント側が経験していない場合も多いと思うんですよね。指示通りに作ってもらうか、一任してしまうことが多いと思います。トンガルマンのやり方について、クライアントはどのような反応をされますか?

—【水野】弊社の行動指針に、「協創を面白がる」という言葉があります。クライアントと一緒に面白がるとクライアントからもアイデアが出るんですよ。アイディアには出し方があります。それを経験したことがないと、アウトプットが得意じゃないと思い込んでしまったり、視点が不足していたりします。そこを開放して殻が破れると、プロジェクトは良い形で進行しますね。

トンガルマンという言葉の印象は、”シャープ” ”力強い” ”攻撃的”などがあるかと思います。しかし、風船のような張り詰めた空気に針を刺すことで、”空気を抜く” ”リラックスをさせる”意味合いもあると思います。クライアントに対しても、最終的なアウトプットに対しても、力を抜いて新しい視点・視野が持てるクリエイティブを意識していますね。

企業の中で活躍している方は本当自由で、サラリーマンと感じないほどです。評価や周りの目を気にせず、自分のモチベーションをあげる。企業を最大限に利用して、自己実現しています。サラリーマンであっても、気の持ち様で自由になれると思います。

—【松嶋】ご自身としては今後どうしてきたいと思いますか?

—【水野】事業をいっぱい立ち上げたいです。もしかしたらトンガルマン以外にも、別の事業を複数立ち上げてグロースさせることもあるだろうし。一つの事業を100億円、1,000億円のビジネスに成長させるのも良いと思いますが、それよりも5億円、10億円規模のビジネスを複数個を立ち上げることに興味があります。僕は少し飽きっぽいところもあるので、立ち上げやスタートアップに非常に面白みを感じていますね。

イノベーティブな人材、組織作りに欠かせないポイント

—【松嶋】新規事業を作ろうとすると肩に力が入って、良いテーマが転がっていないか探しますが、自分たちの中にあるものを開放しているところほど上手くいってますよね。そこを開放して形にするお手伝いをされるのがトンガルマンなんですね。

—【水野】個性は皆それぞれあると思うんですよ。個性的じゃない人はいません。ただ、その個性を出しやすい環境があるかどうかなんですよね。一見個性的に感じられないのは、個性を出し方が分からなかったり、出せない周囲の雰囲気があるのだと思います。それをいかにして開放するか。

ただ個性は人それぞれなので、たいていの場合、個性は他の人にとっては刺激、時にはストレスとなることも多いと思います。だからお互いどう許容をするか。個性は等しく重要なものなので、環境をうまく設計する必要があります。全員が共有できる目的を掲げて、そこには目線を合わせたり。個性を受容し、時には活かしながら、目標も再認識してもらうよう話したりしてますね。

本来、日本は多様性を受け入れられる文化なんですよ。例えば、日本ではラーメンをかなり細分化してますよね。ラーメンという1つのジャンルの中で、ここまでできるのは日本だけだと思います。細分化して、多様性を出すのが、日本人が得意とすることです。でも、なぜか画一的と言われる部分もあって。それぞれが個性を出して、その多様性を受け入れることを、日本人の強みだと思って大いに生かしたらいいと思います。

—【松嶋】日本の社会は閉塞感が強いと言う人が多いですが、水野さんはどのようにお感じですか?

—【水野】日本に閉塞感があるのは事実だと思います。環境から閉塞感を感じることもあると思いますが、個人としてはもっと精神的に自由で、何かに囚われないように意識すると良いと思います。力が入ってない人に人が集まりやすいし、チャンスも舞い込んで来やすい。だから、リラックスしようと、みんなに言ってますね。

—【松嶋】具体的にどのようにすれば、囚われず、閉塞感から脱することができると思いますか?

—【水野】視点をずらす手法をいくつか持っていることが重要だと思います。気分の変え方もそうかもしれないし、新しい価値感得る行動をした経験がいくつあるかかもしれない。それが一つじゃないことが重要ですね。複数個のコミュニティにつながっていると、それぞれで得た価値観を自分の中でミックスさせられる。そしてそれを還元すると、また新しい価値観が生まれるといった循環ができます。一つのコミュニティに固まってしまうと良くないですね。

またいろんなことを面白がって、新しい発見や問いを縦て、価値観や考え方を常にアップデートしていくことが大切です。新しい発見が出来る人は本当に強い。成長のスパイラルに乗ることができれば、いくつになっても成長を感じることができると思います。人と話すでも、YouTubeを見るでも、手段はなんでも良い。あとは取り入れ方も工夫ができて同じような内容を語っているものを本やYouTubeなど複数のメディアで見比べてみたり、同じような出来事を五感、例えば音声(耳)・フィールドワーク(皮膚)・文字や映像(目)など、で取り入れるのも良いですよ。そうすると刺激と情報量が圧倒的に多く、理解が進み、解釈の幅も広がる。本を読み切るのはしんどいので、中途半端でいいんですよ。中途半端も固まると一つの知識になります。

—【松嶋】将来のパートナーになる方や会社さんに対して、何かメッセージはありますか?

—【水野】自分が考えていることをとにかく一緒に悩みながら出し合いましょう。そこからでてきたキーワードを掘り下げて、一緒に笑ったりとか、面白がるところが、まずスタートなんだと思います。そこから一緒にしていければ良いかなと思います。

最初は仕事とプライベートの間ぐらいでお話しするケースが多くて、そういうお付き合いをしながら探っていってもいいんじゃないかな。例えば、海外出張に行くと、気持ちも上がっちゃってオープンになり、ビジネスの力を半分抜いて会話ができる。そうすると、最終的な契約も、ビジネスの種のつくり方も、いろんなものが非常に上手くいくんですよね。そういったオープンな会話は非常にいろんなチャンスを含んでいると思います。

—【松嶋】商談ってなると、つい堅くなってしまいますよね。面白いことを一緒に面白いねって、子供の時のようなことができると本当は良いですよね。

—【水野】クライアントの前で都合の良いことばかり言う人もいますが、言いたいことは言った方が良いと思っています。僕たちの立場とクライアントの立場で生じるズレは、ディスカッションポイントなんですよ。ちゃんとこのズレを詰めないといけない。都合の悪い事も正直に言えるオープンな関係を作ることに注力した方が良いと思います。

—【松嶋】最後に、今までのご経験の中で、ビジネスマンとしていい経験になったこと等ありましたらお教え頂きたいです。

—【水野】やったことがないことを達成できた時の体験を分解して、心のバリアになっていたものと突破した瞬間の感情の変化を細かく捉えると良いと思います。僕で言うと、過去のコンバースでトレンドを作った経験やダンスですね。何か突破したな瞬間を自分の中で掘り下げてみるといいんじゃないかな。

ネガティブな経験も含めて、過去の経験全てが自分を構成しています。それは体験としてモジュール化されてしまっているので、これを一回バラして、細かく見て、もう一回束ね直す。20年、30年生きたのであれば、それなりの経験をしているはずなので、もう一度分解してみるといいと思います。

—【松嶋】人間はどうしても慣れてて負荷が低いものに流れがちですが、同じ行動を取ることが本当に幸せか、価値があるか忘れちゃう。それをモジュールの分解を通して取り戻す事ができそうですね。

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