キラキラとドロドロとヘロヘロの狭間で、女子大生起業家めぐみしゃちょーは、どのように成長し成功したのか

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氏名 竹村恵美
肩書 株式会社Coupe 代表取締役/CEO
出生 1991年
1991年生まれ。高校生活をスイスで過ごした後、立教大学文学部へ入学。学生時代にサロンモデル検索サービス「クープ(Coupe)」をローンチした。2014年12月に法人化し、翌年2月にはサイバーエージェント・ベンチャーズから1,000万円の出資を受け、事業を本格化。18年4月にマネジメント事業を開始し、20代のメンズタレントをメインにマネジメント。同9月にはライブ配信サービス大手5社と提携。今年3月にサイバーエージェントグループへグループイン。立教大学文学部講師。(最年少)

2015年女子大生の起業家として注目され、サロンモデルのマッチングサービスを立ち上げたCoupeの竹村恵美さん(通称:めぐみしゃちょー)。女子大生起業家として様々なメディアなどにも出演し、2019年3月にはサイバーエージェントに会社を売却して、サイバーエージェントグループに入ったことでも注目されています。これだけ聞くと非常に順風満帆な起業家人生を送ってそうな感じがしますが、実際はそんな風にはいかないのが、ハードシングス満載の起業家人生というもの。今回は、そんなキラキラの裏側について、取材させていただきましたが、どんなエピソードがでてくるか楽しみです。

渡辺)久しぶりですね!早速ですがおごってください!

竹村)えっ?いきなりなんですか?

渡辺)だって、サイバーエージェントに会社売却したんでしょ?もうウハウハなんでしょ?だったらおごってください笑

竹村)いやいやいやいや。全然そんなことないですよ!

渡辺)またまた~。売却した資産でご両親に豪邸とか立てたんじゃないんですか!?

竹村)そんな、成功したグラビアアイドルがやりそうなことなんてやってません!

グラビアアイドルもまんざらでもなさそうな表情のめぐみしゃちょー

渡辺)たしか、めぐみしゃちょーとはあったのはもう4年くらい前でしたが、当時から女子大生起業家として結構注目されてましたよね?

竹村)そうですね、まぁ一応注目してもらったりもしました。

渡辺)やってる事業も、最初はサロンモデルのマッチングサービスとかで、なんかかわいい女子とイケてる男子に囲われまくってましたよね?

竹村)はい、そうですね。そこは否定できないですね。

渡辺)その勢いで、なんか流行りにのったライバーの事務所も立ち上げて、飛ぶ鳥落としまくってる感じなんじゃないんですか?その流れで売却って、もはや現代のシンデレラストーリーみたいな感じですよね!?

竹村)いや、ほんと全然そんな感じじゃないですよ。この4年かなり泥水すするような感じでやってきたんで。人生の底辺の時期も経験しましたよ。

渡辺)そうなんですね。では本日はそんな部分もぜひお聞かせください!

ピンチその1 会社設立半年で共同創業者が辞める

渡辺)いったいどういうことがあったんですか?確かお会いした2015年頃には、サイバーエージェントベンチャーズ(略称CAV、現サイバーエージェントキャピタル)から、出資を受けたくらいでしたよね?

竹村)はい、そうですね。そこで、CAVの方から色々アドバイスを受けながら、その時一緒に起業した大学の大親友だった共同創業者と一緒にやってたんですが・・・。なんとですね、数カ月でその創業者がいなくなってしまったんですよ。何度か連絡が取れなくなってしまうということがあり、話し合いの末辞めることになりました。

渡辺)おぉそれは、ベンチャーあるあるな感じですね。どういった理由だったんです?

竹村)その当時ふってきた膨大なタスクを処理することができずにストレスがたまって、しんどくなってしまったんじゃないかなーと思います。すごく優しい子だったので申し訳なかったです。

ピンチその2 売上が全然あがらなくて独りぼっち

渡辺)事業の売上は伸びていってたんですか?

竹村)それも実は全然で。サロンモデルの登録者数はどんどん増えていってたんですが、全然マネタイズできなくて。投資してもらった1000万円もどんどん減っていき、給料も払えないため、私一人に。たまに、インフルエンサーマーケの案件などが取れたりしたため、それで細々と食つないでいた状態です。

渡辺)通帳残高がだんだん減って0に近づいていくの恐怖ですよね。すごい精神的にまいると思います。メンタル面は大丈夫だったんですか?

ピンチその3 メンタルやばくて引きこもり

竹村)メンタルもかなりきていました。お金がなさ過ぎて自分の家賃も払えなくなったんで、その時付き合っていた彼氏の家に居候していました(ありがとう元カレ)。オフィスも間借りしていたところから出ないといけなくなったんで、打ち合わせとかない時はほぼ家にいましたね。

渡辺)家で何してたんですか?

竹村)NintendoSwitchです笑。あのときは、ゼルダの冒険に非常にお世話になりました。今の私があるのも、Switchのおかげです。

渡辺)完全にひきこもってる・・・

竹村)あの時、ゼルダで世界を救うことで生きる気力をもらっていました。

渡辺)よく、生き残りましたね・・・・。そんな状況から転機ってなんだったんですか?

仲間との出会いが全てを解決してくれました

壁ドンで熱く見つめあうくらい仲の良い北尾氏と中村氏

竹村)はい、これは二人の仲間との出会いによるんです。

渡辺)どういうお二人なんですか?

竹村)一人は、CACの新しく担当者になった北尾さんですね。北尾さんは、資金調達でも色々相談にのってもらってたんですが、ベンチャーキャピタルや事業会社からの調達では上手くいかなかったので、政策金融金庫の資本性ローンで融資を受けてみたら?と勧めてくれたんですよね。でも、自分では申請の書類を満足に作ることができなくて。その時、北尾さんが代わりにこういう書類作成もしてくれたり、銀行とのやりとりも全て同席してくれたりしたんですよ!

渡辺)それは、すごいですね。いくら出資しているとはいえ、VCの担当者としての業務は完全に超えてますねそのレベルだと。

竹村)はい、そのおかげもあって、無事審査も通り、1000万円の資金を追加で調達できたんです。

渡辺)ひとまず当面の危機を脱したわけですね。

竹村)はい、資金ショートの心配がなくなったので、じっくりと売上を上げていくことができるようになりました。そして、次に出会えた仲間が、のちの執行役員となる中村さんなんです。 中村さんは、元々はCoupeのサロンモデルとして登録をしてたナイスガイなんですが、とにかくディレクション能力とコミュニケーション能力が高くて。 私一人だと、案件を取れても、それを具体的な企画に落とし込んで進行するときに、ほんと穴だらけだったんですよ笑。それを完璧にフォローしてくれてちゃんとクライアントが満足するレベルまで高めていってくれるんです。なので、私はモデルの採用と、営業提案に専念することができたんですよね。

渡辺)北尾さんもイケメンだし、仕事のできるイケメン二人に囲まれて仕事ができるなんて、なんか女の子向けアプリのシチュエーションそのままみたいですね笑。普通にウラヤマ案件なんじゃないですか!?

竹村)確かにイケメンであることは否定しません笑。でも、他のサロンモデルの男子含めて、全然色恋沙汰とかは皆無ですね。もうそんな色恋やってる余裕とか全くなかったんで。イケメンであることより、その高い能力をこのCoupeの事業にかけてコミットしてくれたことがなによりも嬉しいです。

渡辺)二人の有能な仲間に支えられて、そこから売上が急上昇していくわけなんですね?

仲間の重要さを語るめぐみしゃちょー

竹村)そうなんです。やはり苦手なことを人に任せられると、私も自分しかできないことに集中できて、その結果売上もどんどんあがっていきました。昨年秋に銀行に提出した事業計画書の数値の何倍もの実績を出すことができたんです。

サイバーエージェントの子会社になって今後の展望は?

渡辺)なにはともあれ、そういう苦難を乗り越えで、とてもいい感じでサイバーエージェントのグループに入ることができ、おめでとうございます!今後の展開がますます期待できますね!

竹村)はい、すごいシナジーを今後出していけると思います。今、事業としてはサロンモデル事業に加えライバー事業も力を入れています。ライバー事務所としては、17 Live、OPENREC.tv、SHOWROOM、Pococha Live、MixChannel、LINE LIVEという6つのプラットフォームとオーガナイザー契約をしています。

渡辺)所属の人気のあるライバーはどういうかたなんですか?

竹村)はい、現在Coupeでは過去に2万人以上のサロンモデルの新規応募があり、審査の末、現在は900人以上が登録されている状況です。サロンモデル、ライバー、タレント、インスタグラマー、俳優など、様々なインフルエンサーを専属契約をしています。 うちが特に力を入れる部分というのは、主には3つで
①毎月数百人のモデル応募があり、培ったSNSの運用能力を活かして、タレント・インフルエンサーを1から育てていくことができる
②AbemaTVと連携してメディア露出を増やし、タレント・インフルエンサーのブランディングを行う
③タレント・インフルエンサー自身をメディア化して情報発信が可能な戦略・企画の立案をする
というところですね。今後、21世紀を代表するエンタメカンパニーとなり、個人を輝かせたいです。

渡辺)たしかに、今回のサイバーエージェントのグループ入りしたことで、可能な選択肢が大幅に増えましたね!竹村さん個人としては今後やっていきたいことはありますか?

事業にはもちろん100%コミット!でも、結婚とエンジェル投資にも力をいれたい笑

そこオフレコでおねがいしま~す

竹村)Coupeに人生を捧げる気持ちでいっぱいなんですが、結婚したいです笑

渡辺)それは、またストレートな欲求ですね笑。オブラートを1mmも感じさせません!

竹村)そうなんですよ、残念ながら先ほどお話しした居候させてくれた彼氏は今年別れてしまって。

渡辺)忙しくなるとすれ違いって増えますしね。どんな方と結婚したいですか?やはりこれだけ毎日イケメンを見てると、要求水準も高くなるのでは!?

竹村)いや、逆に顔はどうでもよくなりました、常識の範囲内なら笑。それよりも、自然体で一緒にいられる人であることが大事ですね。さっきお話しした通り、元々がずっとゲームやってるような根がオタクな部分もあり、社長っぽい何から何まで完璧な女子を想像してこられると、多分がっかりされてしまいます笑。一緒にダラダラしてても楽しめる人がいいです。

渡辺)読者の皆様、ぜひご応募ください笑。

若い起業家にエールを送るめぐみしゃちょー

竹村)あとは、やはりエンジェル投資もやっていきたいですね。私がこれまでいろんな先輩の経営者や投資家の方に支えられてやってきたので、これからはそれを下の世代の起業をする若者に還元していきたいですね。

渡辺)はい、ぜひ次は藤田ファンドを超える竹村ファンドを作ってくださいね!本日は、インタビューありがとうございました。