ウエディングパーク代表の意思決定論:なぜ創業者ではない僕がハードな決断をブレずに行うことができたのか
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氏名 | 日紫喜誠吾 |
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肩書 | 株式会社ウエディングパーク 代表取締役社長 |
出生 | 1976年 |
略歴 | <経歴> 1976年生まれ 同志社大学 工学部 1998年株式会社キーエンス入社 2000年株式会社サイバーエージェント入社 インターネット広告事業本部 マネージャー、局長を経て、 2004年株式会社ウエディングパーク設立 営業本部長就任 2005年代表取締役社長就任 2019年『僕が社長であり続けた、ただ一つの理由』上梓 公益社団法人 日本ブライダル文化振興協会 ブライダルコーディネーター養成講座講師 |
今年で創立20周年を迎えた、ウエディングパークは結婚式場のクチコミサイトとして日本最大規模を誇り、結婚を考えるカップルが必ず目にするメディアの1つとなっています。創業の1999年頃は日本におけるクチコミサービスが非常に盛り上がりを見せてきた時期であり、例えば価格.comや化粧品クチコミの@cosmeなども同時期に。そのように見ると、時流にのって成長してきた順風満帆なサービスのように感じられるかもしれません。 しかしながら、その道筋は想像以上にハードシングスの連続だったようです。サイバーエージェントが2004年に買収して子会社となり、事業の立て直しを任されて後に社長に就任したのが今回インタビューをさせていただいた日紫喜 誠吾さんです。 日紫喜さんは、日本一の高給料企業としても有名なキーエンスに入社し、あっという間に頭角を現してトップ営業マンに。その後、インターネットの広告会社として急拡大する時期のサイバーエージェントに転職。サイバーエージェントでも、わずか数年で局長へと昇進したのちに、ウエディングパークの経営を引き継ぎます。 そんな日紫喜さんの著書「僕が社長であり続けた、ただ一つの理由 ウエディング業界に革命を起こした信念の物語」は、経営者・起業家にとって最も重要な仕事である「意思決定」をブレずに行い続けるための秘訣がつづられています。 こちらの書籍、自分で起業を志す方や、会社内で重要なポジションにいる方にはぜひ読んでいただきたい内容です。日々起こる逃げられない状況の中でハードな意思決定をしないといけない方にとっては、とても参考になるのではないでしょうか?
会社の経営者になったらハードな決断の連続だった
渡辺)本日は、よろしくおねがいします。書籍拝見させていただきましたが、思った以上にハードな出来事の連続だったようですね!本日はそのあたりのことを色々お聞かせいただきたいと思います。
日紫喜)はい、よろしくおねがいします。
渡辺)ウエディングパークの営業本部長となられたときというのは、どういう状況だったのですか?
日紫喜)はい、当時のウエディングパークは、サイトへの流入はSEOの成果がでて増えていたのですが、肝心の売り上げがついてきていない状態でした。その中で、サイバーエージェントが子会社化し、事業の立て直しを藤田社長から任されました。
渡辺)事業はその当時からクチコミを軸にしていたのですか?
日紫喜)いえ、クチコミサービスをはじめたのは私が参画してからですね。ビジネスモデルは、サイトからその結婚式場ホームページに誘導したときに課金されるという、当時新しかったクリック課金です。
渡辺)それでは、ビジネスは順調な滑りだしだったのでしょうか?
日紫喜)オープン後、クチコミへのクレームが殺到し、営業も苦戦しました。サイバーエージェントには当時、社内ベンチャーのCAJJという昇格制度があり、J1~J3までの階級があったんです。それぞれの階級ごとに昇格基準があり、その基準を満たせなかった事業はクローズしなければならない。達成すべき期間や利益の目標もハードルが高く、実際、この壁を越えられなくてクローズする事業も少なくありませんでした。
毎日のクチコミの承認作業がブレない信念を作った
渡辺)売上を優先しないといけない状態だと、クライアントからクチコミクレームがあることはかなり葛藤が大きかったのではないですか?
日紫喜)それでも、クチコミは消さないという決断をしました。葛藤はなかったわけではありませんが、この決断でよかったと思います。
渡辺)そこまで、判断軸がブレなくいることができた理由はなんだったのですか?
日紫喜)まずは、ちゃんとしたクチコミがあるサイトは、結婚式をあげるカップルに絶対に役立つものになるという想いですね。仮に自分の子どもがウエディングパークで結婚式場を探す時に、「こういうクチコミが見たかった」って思ってもらえるサイトになっているかは、判断基準になっています。
クチコミの承認作業もずっと自分でやってきました。渡辺)え、ご自身でずっとやってたんですか?
日紫喜)最初は、何がよいクチコミなのかという判断軸がまだはっきりしていませんでした。そういうときに、承認するクチコミ、しないクチコミの基準や品質がブレていると絶対よくない。5年くらいずっと承認は自分でやっていました。
渡辺)それは、なかなかハードですね。でもかなりの数だったんじゃないんです?
日紫喜)多いと1日数百件ありました。毎日22時をクチコミの承認時間にして、その日にあったクチコミは必ず毎日22時にアップすると決めてやっていました。僕にとってこの毎日の承認作業も、ブレない意思決定ができるようになった根底にある気がします。
ウエディングパーク流最高の人材育成論
渡辺)ウエディングパークでは、直販営業にこだわっていますよね。この理由はどういったものなのでしょうか?
日紫喜)これは、ブライダル企業にとってのウエディングパークの価値は単に広告媒体というだけではないと考えているからです。営業担当も、ただの広告提案営業では終わってほしくない。クチコミに基づいて課題を分析して解決策を提案するといった役割もあります。
渡辺)それは、一方ではちゃんと提案や企画をクライアントにできる人材が重要となってくるってことですよね?そういう人材育成の観点ではどういう点に力をいれていますか?
日紫喜)分解するといろいろな能力があるとは思うのですが、一番大事なのはカルチャーへの共感だと思っています。経営理念やビジョンに対してどれくらい共感し、深いレベルで実行できるかですね。
渡辺)やはり、一番大事なのは、カルチャーなのですね。といっても、カルチャーって一朝一夕にはできないと思うのですが、どういう経緯で今のカルチャーってできあがっていったのですか?
日紫喜)経営理念とビジョン、そして行動規範を言語化し、整備したのが最初です。 これは当時のサイバーエージェントの担当役員の方から「ウエディングパークをスケールさせたいのであれば、ワーディングを意識したほうが良い。大きくなりたいなら、そういう言葉の使い方をするべき。」とアドバイスしていただいたのがきっかけでした。言葉の力ってやっぱり強いんですよね。僕たちが一番ワクワクできる言葉は何か、ということを突きつめ、「結婚を、もっと幸せにしよう。」という経営理念と「21世紀を代表するブライダル会社を創る」というビジョン、そして行動規範「TRUTH」が出来上がりました。
渡辺)人材育成の観点で、ユニークな制度はありますか?
日紫喜)新入社員に社内の人事制度を作ってもらう「せどつく」という取り組みは、新卒第一期のころから導入していて、よく取材などもしていただきます。新入社員がチームをつくって、会社の新制度を提案するプレゼンテーション大会なんですが、先輩社員にヒアリングしたり調査したりしながら、プランをまとめてもらって、大勢の社員が見守るなか経営陣にプレゼンするんです。特徴的なのは、その場でかならず1案、制度化が決定されるところ。全社的にも非常に注目されています。 新入社員が親担当、きょうだい担当と部署横断の3人家族をつくり、定期的にカレーを食べる会を開催するメンター制度「カレーファミリー制度(通称・カレファミ)」や、自分の家族へ感謝の気持ちを伝える特別休暇(1日)が取得できる「家族へありが10(とう)」など、うちらしい制度が「せどつく」からいくつも生まれています。
渡辺)「うちらしさ」って本当重要ですよね。本日はありがとうございました。
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非常にハードシングスを乗り切った敏腕経営者にも関わらず、終始優しい笑顔を絶やさない素敵な日紫喜さんに興味を持たれた方は、「僕が社長であり続けた、ただ一つの理由 ウエディング業界に革命を起こした信念の物語」もぜひ読んでみてください。
企業 | 株式会社ウエディングパーク |
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所在 | 東京都港区南青山 3丁目 11-13 新青山東急ビル 6F |
業種 | ・結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」の企画・運営 ・海外・リゾートウエディングのクチコミ情報サイト「ウエディングパーク海外」の企画・運営 ・結婚衣装選びのクチコミ情報サイト「ウエディングパーク ドレス」の企画・運営 ・フォトウエディング・前撮りの検索サイト「Photorait(フォトレイト)」の企画・運営 ・婚約・結婚指輪のクチコミ情報サイト「Ringraph(リングラフ)」の企画・運営 |
URL | https://www.weddingpark.co.jp/ |
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