日本最大級、年間2000人が学ぶ起業スクールの
加藤将太代表が明かす成功する独立起業の法則

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Profile
プロフィール
氏名 加藤将太
会社名 マーケティングコンサルタンツ株式会社
略歴 京都大学大学院でMBAを取得。株式会社NTTデータでエンジニアとして勤務した後、起業。現在は日本最大級の独立支援、起業家育成スクールの代表と講師を務め、年間約2,000人を指導する。

参考) 次世代起業家・経営者アカデミー公式HP > 講師紹介
Interviewer
編集部

提供:マーケティングコンサルタンツ株式会社


京都大学を卒業後、同大学の大学院でMBAを取得した加藤さんは、企業務めを経て2010年に“脱サラ”。大阪のマンションの一室で事業をスタートしました。その後、MBAの知識と自身の起業経験を活かして、独立を目指す人々のためのオンライン・スクールを開校。経済的な独立や自由な働き方を目指す18歳から65歳までの生徒が、毎年約2,000人も加藤さんのもとに集っています。

—【聞き手:ザ・キーパーソン編集部、以下:編】はじめまして。今日はご自身の生い立ちや起業の経緯、そして現在取り組まれている事業などについてお聞かせください。

【話し手:加藤将太(敬称略)、以下:加藤】はい、よろしくお願いします。

厳しい家庭で育った、早熟な少年

—【編】プロフィールを拝見すると、優秀な家族に囲まれた家庭で厳しく育てられた、というエピソードがありますが、まずはその辺りについてお聞かせください。

—【加藤】曽祖父が京都帝国大学卒の医者で、父方にも母方にも医者が4人いるという家系です。また、父方の祖母は公家出身だったので、その教育や精神性を引き継いだ父から厳しく育てられました。それこそ「箸の上げ下ろしから完璧にしなければいけない」という感じの教育方針でした。

父はよく書斎にこもって本を読んでいたので、僕も子供のころからそれを真似して本をたくさん読んでいました。父には「文学を読め」といわれましたが、僕はあまり興味がなかったので経済書やビジネス書を読み漁っていました。そんなこともあり、6歳の頃には人口問題や紛争について真剣に悩んだりする、ちょっと変わった子供でした。

—【編】それは、かなり早熟ですね(笑)。

—【加藤】いま思うと、そうかもしれません(笑)。中学校の頃までは友人も多くはなかったですし、みんながワイワイやっていても、輪に入れないような子供ではありましたね。書物をベースに自分で学習して考えるという姿勢はこの頃からあったのかなと。もちろん、この年齢だと実際に大きな課題解決をすることは難しいですけれど。

セルフラーニングで受験に成功

—【編】勉強については、セルフラーニング中心だったということですが?

—【加藤】はい。小学校の時に塾の体験入学に少し通いましたが、それ以外は自分で勉強していました。それでも模試を受けると、全国7,000人中トップ10に入るという感じだったので、手応えはありましたね。やり方としては、まずそのジャンルで成功した人の本を読む。そうして「こうかな?」というイメージができたら、過去問(過去に試験に出た問題)を取り寄せて解いてみる。でも、最初は解けません。なので、次に解けない問題を解くのに必要な知識が書かれた本を集めて、積み上げてそれを順番に読んでは解ける問題を増やしていくということを年単位でやっていきました。

—【編】仮説立て、実行、検証のくりかえしですね。

—【加藤】はい、なので、今やっていることと同じと言えば、同じですね(笑)。

—【編】このサイクルはよくPDCA(Plan Do Check Action)と言われ、プロジェクトマネジメントの基礎中の基礎でもあると言われますよね。でも、現実的には「何かをやると決めて、やりきる」というのは難しい。よくあるパターンで言うと「元旦に今年の目標を立てるけど、3日で止めてしまう」みたないな話から、任されたプロジェクトの納期を超過してしまうという話まで含めて結果を出すことは容易ではありません。加藤さんはやりきる力、もしくはモチベーションといったものはどう維持されているのですか?

—【加藤】続かない人、やり切らない人はどこかで必ず「現状で良い」と思っているんですよね。本心から「現状がヤバい」と思っている人は変われます。学生時代の僕は「このままでは、やりたいことがやれる自分になれない」「他の人と同じように遊んで、ちょっと勉強して、ということをやっていても埒(らち)が明かない」という焦りを覚えていたから、やり続けられたのだと思います。そういう感覚を、他の人より強く感じられるかどうかがポイントだと思います。

安定を捨てて、独立

—【編】会社員時代のエピソードがあれば、お聞かせください。

—【加藤】一度、社会人になって、起業したのも同じような理由です。終身雇用に守られた、良い会社で上司や同僚も悪い人ではなかったのですが、毎日同じ仕事を続けなければならず、自分で改善する権限はほとんどないことに満足できませんでした。

デバッグの仕事を任されたので、手動でやっていた作業を自動化するツールを作るために残業をしようとしました。少し残業しても、その後の作業は自動化できるのですから、長い目で見れば全体の効率ははるかに上がりますよね? しかし、1日40分程度しか残業が許されず、仕方ないので朝少し早く出社して作業をしようとしたら、それもダメ。

その時に身動きのとれなさというか、「このままではやりたいことがやれる自分になれない」という感覚を、また強く感じました。「安全が保証されているかわりに、ある行動をくりかえさなければならない。行動の自由がない」ということが、本質的に受け入れられない人間なのだと思います。

—【編】それで、独立を決意されたのですか? それとも、それ以前から独立をしたいという思いがあったのですか?

16歳ぐらいの時に神田昌典さんの「あなたの会社が90日で儲かる!」や大前研一さんの『企業参謀』などを読んで影響を受けました。もちろん、当時の自分は億単位のビジネスの世界に実感はわきませんでしたし、やれるとも思っていませんでしたが、憧れはずっともっていましたね。そういう意味では、前から経営者になりたいという考えはあったと思います。

僕は、いつも起業家には5つの要素が必要だと思っていまして……それは、自己啓発・マーケティング・業界知識・ロジカルシンキング・管理学です。

さらに分解していくと、最初の自己啓発というのは、ポジティブシンキングと成功例を知るということなのです。つまり、最初は「やればできるじゃん」ということ、これは僕の信念でもありますが、それをしっかりと持つこと。あとは、「こうすれば、うまくいった」という具体例を知ること。これが起業家に必要なことの7割で、残りの3割がマーケティング・業界知識・ロジカルシンキング・管理学だと思っています。

何かを始めるというのは、つまり「やれると知る、やり方を知る、実行する」ということです。実際はこの3ステップをやり切れる人は、それぞれの段階で10人に1人くらいしかいません。ですから、この3つをやり遂げるだけで1,000人1人の存在になれると言っても過言ではありません。

次の目標、日本の課題

—【編】これから先5年10年の目標には、どのようなことを設定されていますか?

—【加藤】1日10人の生徒さんを卒業させる、そのうち5人に起業に成功してもらう、1人に業界リーダーになってもらう、ということを目指しています。ビジネスとしては、売上が1カ月3億円、1日1,000万円を目指しています。この2つが2年以内の目標です。今は、年商7億円なので、おおまかに計算して5倍ですね。

—【編】加藤さんは、今どんなことが日本の課題だとお考えですか?

—【加藤】日本社会については少子高齢化、労働人口減少、世代間格差が課題です。また、その解決策はベーシックインカムの導入と教育だと考えています。

自分が教育に取り組んでいるのは、教育が格差を縮める数少ない方法だからです。今の経済活動の多くが格差を拡大する方向に働いていますが、教育はその逆の力を働かせられます。例えば、10万円いただいて教えた内容で、その人が将来100万円稼げれば後の世代に負の格差を残さないということになります。

—【編】既存の学校教育が起業家や独立を目指す人が必要とする知識を教えられていない、という問題意識もお持ちですか?

—【加藤】そうですね。それは今の学校教育の中ではほとんど学べないと思います。

僕の生徒さんで多いのは、30代の会社勤めの方で「このままいくと人生どうなるかわかってしまった。でも、どうやって違う道に進めばいいのかわからない」という皆さんです。会社から帰ってスマートフォンゲームで遊ぶかわりに、僕のセミナーとかを聞いていただいて、その人の強みを活かせる役割を見つけ出していただければ、その人のためにもなるし、日本のためにもなる。僕自身が体験してよかったと思う流れをいろんな方々に知っていただいて、実行できるようになるための情報をひたすらお伝えしています。

—【編】加藤さんの成功体験を再現可能な情報として伝承するというのが、カリキュラムの主な内容なのですね。あとは、生徒さんに成功してもらうというか、育てていくための方法論、メソッドというのは何かありますか?

—【加藤】教育が成果をあげる4つの条件として「ゴールとマイルストーンの設定」、「タスク化と進捗管理」、「フィードバック」、「スクーリングと直接指導」があります。

スクール選びを間違えると、成長できない

—【加藤】これは残念な話ですが、大手の英会話スクールなどでも、この4つが揃っていないケースがあります。「英語がうまくなりたい」という漠然としたイメージとしての目標だけがあって、コミットしていくべきタスクに分解できていない。タスクにできなければ、進捗管理や具体的なフィードバックもありません。ただ、直接指導だけはある、という状況で、先生に「よくできました」といってもらえて嬉しい、みたいなことでしか成長を感じられない。これは教育が成果をあげるための4つの条件のうち、たった1つのスクーリングしかない、という状態ですからスクールとしては良くありません。

一方でライザップさんは必要要素が揃っていて「3カ月で○○kg痩せる」という明確なゴールに対して「1カ月○kg痩せる」というマイルストーンが設定されています。それを達成するために「毎日これを食べてください、これだけ運動してください」というタスクが決められていて、トレーナーさんにオンラインで報告をすると細かいフィードバックがもらえるわけです。もちろん、スクーリング的な側面として、ジムでの対面の指導もありますから、ほとんどの場合きっちりと成果が出ます。

この観点で見ると、いわゆる世にある起業スクールの大半は、前者の「ダメな英会話スクール」のような教え方しかしていません。「起業してお金を稼ぎたい」という漠然とした目標に対して、情報だけを渡してあとは少しチャットで質問に答えるだけ。「うまくいかなければ、お前が悪い」という感じで終わりです。

成果を出すスクールがもつ4つの条件

—【加藤】 僕のスクールは、こういった失敗に陥らないために、「教育が成果をあげる4つの条件」を満たすよう徹底しています。

独立の最初のゴールにまずは「月収25万以上」を設定しており、順調に進めば早くて4~5ヶ月、遅くても2年目には達成できるイメージです。そして標準4年間のカリキュラムの学習例を「学習(1年目)、物販(2年目)、情報発信(3年目)、オリジナルの商品作成(4年目)」の4パートに区切っており、当然あとのカリキュラムの方が稼げる上限金額は増えます。これらの内容や速度は、生徒さんの進捗次第で、自由に組み合わせや、スピードがアレンジできます。例えば、1年目の学習カリキュラムは、2倍速なら6ヶ月、4倍速なら3ヶ月で学びきることも可能です。最短で1.5ヶ月で学習段階を終えた方も中にはいます。その逆に、忙しい方は学習に2年かけることも可能です。

1年目の学習段階においては、合計400時間のセミナー、3,000ページのPDFの中から、必修部分を抜粋して、段階的に学んでいってもらうように設計して、これを細分化したものをタスクとして、メールで「今日はこのパートを学んでください」とお知らせします。それに対して、生徒さんも「できた、できなかった」「わかった、わからなかった」というレスポンスができます。

また、理解度を測る「ウェブテスト」も受けられるので、この点数がひとつのフィードバックになります。さらに、いま成功している先輩は過去に「始めてから○カ月で○○点をとっていました」という情報も見られるようにしています。

このような学習のプロセスがない、一般的な起業スクールはフィードバックがない中で情報収集や学習を続け、いざ事業を始めるといきなりとてつもなくシビアな「売上というフィードバック」を突きつけられて、大半の人はそれに耐えられないというのが実情です。

でも、僕の生徒さんたちには学習の段階でしっかりと理解度に対するフィードバックを受けていただきますし、自分の中でこれだけ理解できたという感覚をきっちりと持った上で次に進んでいただけるようになっています。

—【編】そのカリキュラムは、マーケティングや管理の手法を学ぶだけですか? それとも、具体的にお金を稼ぐためのノウハウも学べるのですか?

加藤】はい、お金を稼ぐための具体的な方法も含まれています。(標準カリキュラムの)2年目からは、いろいろな商品を転売することを通じて、お金を稼ぎつつ「安く仕入れて、高く売る」という流通の基本を実地で学んでいただきます。ここで、ほとんどの皆さんが商売の感覚がつかめるようになりますね。2年目の転売のステップは自信や経験が既にある方はスキップすることも可能です。

その後も2択でして、自信がある方は自分の商品を売り始めるフェーズに進んでいただきます。もしくは、先にアフィリエイトを通じて紹介業として稼ぐ方法に進んでいただくこともできます。これはブログを通じてマーケティングをしていくというプロセスです。ここでライティングのスキル獲得や販売や集客を自動がしていくシステムづくりを進め、より安定して収入が得られるようにしていきます。最終的には独自商品を販売していただくのが当スクールの教育の目標です。

事業と経営者の類型

—【加藤】ちなみに、このフェーズからさらに先に進んで新しいビジネスを作っていくために、事業や経営者の6つの類型分けるという分析もしていいまして……あ、少し話し過ぎですかね?(笑)

—【編】いえいえ、おもしろそうなお話なので、ぜひ、続けてください。

—【加藤】わかりました。経営者の6つの類型の1つ目は、パナソニックのような組織マネジメントタイプです。2つ目はDeNAのようなビジネスモデルタイプ。3つ目はGoogleのような商品開発課金ポイント1個タイプ。東京電力やNTTドコモのような保護産業寡占タイプ、5つ目はファンドのような財テクタイプ、6つ目はAmazonやトヨタのようなオペレーションマネジメントタイプです。

この中で、小資本ではじめられるのはビジネスモデルタイプと商品開発課金ポイント1個タイプです。その他は、大きな資本が必要です。そして、1つの企業や経営者が6つのモデルの中を移動していくということもあります。

ソフトバンクと孫正義さんを例に考えて見ましょう。彼は、最初はソフトウェアの流通から始まって、ADSLで商品開発課金ポイント1個タイプに移行、モバイル通信で保護産業寡占タイプに移行して、今はビジョンファンドで財テクタイプの事業をやっている。そして、IoTやスマホ機器向けのプロセッサを設計するARMの買収を完了させているので、これからはオペレーションマネジメントタイプに移行していくと見ています。

このように、事業や経営者の類型を学べば、自分の事業を大きく育てるための参考になります。ただ、1つ注意しなければいけないのは、1カテゴリーのビジネスでの成功法則が別のカテゴリーでは必ずしも通用しないということです。例えば、組織マネジメントタイプの会社だった京セラの稲盛さんは「経営とは値決めだ」とおっしゃっていますが、これは商品開発一個タイプのGoogleみたいな会社には当てはまりません。「アドセンスの値段を決めたところで、何が経営だ」という話になりますからね(笑)。なので、この類型を踏まえた上で、それぞれの成功事例の情報を分離していけば、それぞれの事業タイプ、あるいは自分の事業が優先亭に取り組むべきことが、より明確になります。

今後の課題

—【編】これからの課題は?

—【加藤】やはり「オンラインスクールって怪しくない?」という世間一般の印象がありますので、それを払拭していきたいです。これは、残念ながら大半のスクールが「売る力だけが強くて、中身が無い」という状況があって起こっていることなので、僕たちは「売る力も強くて、中身も有る」というカリキュラムとしっかりと作っていって業界の健全化に寄与していきたいです。

例えば、僕たちのスクールでは課金をするまでに、先に大量のコンテンツをお渡しして、テストを通じて消化していただいたことを確認して頂いた上で、お金をいただくようにしています。これで、できるかぎり誤解が生じないようにしています。なので、このスクールでは「中身がない」と言われたことは一回もありません。

—【編】では、最後に、私達のメディア名でもある「キーパーソン」になることを志す人へのアドバイスをお願いします。

—【加藤】失敗してもいいから、とにかくやる。新しくやりたいことがある以上は、一度いまの状態を手放す。そして「ゴハンが食べられる状態」をつくったら、あとは大きく成功するまで続けてください。

—【編】今回は以上です。とても興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

【加藤】こちらこそ、ありがとうございました。

Company
会社情報
企業名 マーケティングコンサルタンツ株式会社
所在地 東京都渋谷区恵比寿1丁目
業種 独立支援、起業家育成のスクール運営、ITシステムの企画、開発、運用、販売
URL https://jisedai.academy